その日暮らし

精神的その日暮らし

【読書】時の旅人

 

時の旅人 (岩波少年文庫)

時の旅人 (岩波少年文庫)

 

 

1939年刊行のジュニア向け小説。
少女ペネロピーは、体が弱いために、
ロンドンの家から農村地帯の親戚の家に預けられる。
そのサッカーズ農園で、新鮮な田舎生活を楽しんでいたのだが、
やがてたびたび、大昔のサッカーズ農園に迷いこむようになる。
16世紀、農園の領主であるアントニー・バビントンは、
スコットランド女王メアリーを救おうとして失敗し、
その後二人とも処刑された。
ペネロピーはその時代と自分の時代を往復し、
彼らの運命を知りながら、彼らに深く関わることになる・・・。

 


ひと言で言えば、タイムトラベルもの。
ペネロピーの生きる時代の農村生活の描写も細かく丁寧だけど、
16世紀の農園の生活もとても詳しく描かれていて、
香りまで漂ってきそう。
作者は行ったことがあるのか?と思うくらい。
ちょっとくどかったり、感傷的すぎたりする部分もあるけど、
雰囲気をゆっくり楽しむことができます。
フランシスいいね。

 

 

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リンリンランラン、ソーセージ♪

(タイトルは、ちびまる子ちゃんの歌より)

 

実家にて。
ある日、冷蔵庫に入れていたソーセージの袋がハサミで切られ、
半分なくなっているのを、父と母が発見したらしい。
父、開けてない。
母、開けてない。
となると残る犯人は祖母しかいない。
おばあちゃん・・・まさかとは思うけど、
何かないかしらと冷蔵庫を開けて、
あらあら美味しそうなソーセージがあるわ!とハサミで開けて、
そのまま非加熱でお食べになったのでしょうか・・・。
てか、そのまさか以外、ないのだけどね・・・。
(もうガスコンロは危険すぎて使わせてません。ロックかけてる)

 

「・・・ま、まあ、ソーセージは、生で食べても大丈夫だから・・・ね」

 

みんなでうわーと眉をひそめながら、
ばあちゃんの元気さに感心もしたのでした。

 

ばあちゃん!あと一ヶ月頑張れば、元号4つまたがって生きたことになるよ!

 

 

 

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【読書】言葉人形

 

 幻想的な作品を集めた短編集。
ジャンルをくくるのは難しい。
暗めのファンタジーだったり、マジックリアリズムだったり、という感じでしょうか。
「創造」がいちばん気に入った。
最もきれいにまとまっていて、余韻も深いマジックリアリズム作品。
表題作「言葉人形」の言葉人形の設定や、
「夢見る風」の設定も秀逸です。
「レパラータ宮殿にて」もいいなあ。
理解の難しい作品もあるけど、美しい幻想世界に浸れる一冊。

 

 

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【読書】豚の報い

  

豚の報い (文春文庫)

豚の報い (文春文庫)

 

 

こないだ「日本人のお名前っ」だったかな、NHKの番組を見ていたら、
一般人のように登場して途中まで一般人のように扱われていたおじさんが、
実は芥川賞作家であると判明。
というわけで目にしたことはあったけど読んだことはなかった、
このおじさんの作品を読んでみました。

 

2作収録。
ひとつは「豚の報い」1996年芥川賞受賞作。
ある日突然スナックに豚が闖入したことで、
大学生の正吉は、女3人を真謝島の御嶽(ウタキ)に連れていくはめになる。
もうひとつは「背中の夾竹桃」。
かでなきちのそばで育ったミチコは、父が米軍人で母が沖縄人。
外見は白人だが、沖縄人として生きてきたミチコは、
自分の立ち位置がどこかはっきりしない。
彼女は危ないかもと思いつつ、
ベトナム戦争行きを控えた若い米兵士と親しくなっていく。

 

どっちも面白かった。
「豚の報い」は御嶽だの魂(マブイ)だの沖縄の信仰が詰まっていて、
登場人物たちがひたすら予測不能に動きまわるところがいい。
小説なんだから、人物がどう動くか分からないのは当然なはずなんだけど、
このしっちゃかめっちゃかぶりと、沖縄の強い陽光が、
妙な印象を残す。

 

「背中の夾竹桃」にはベトナム戦争の頃の沖縄があらわに描かれている。
米軍人相手に商売をする女性たち。町の治安が良くないことなど。
自分が何者で、これからどう生きていけばいいのか分からないミチコと、
ベトナムの過酷な戦線に送られることにおびえる兵士。
戦後すぐの沖縄で生まれ育った作者が描く沖縄。
私たちが知らない、もしくは知ろうとしない沖縄。

 

 

 

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【読書】シベリア鉄道9400キロ

 

シベリア鉄道9400キロ (角川文庫 (6230))

シベリア鉄道9400キロ (角川文庫 (6230))

 

 
義父の本棚にあったので読んでみました。
シベリア鉄道は、昔からの憧れ。
なぜ憧れるようになったのかは覚えていない。
この筆者の書いたものでも読んだのだろうか?
ちなみに子どもの頃、この筆者が書いた子ども向けの本を超愛読してました。
スイスアルプス鉄道の本じゃなかったかなー。
イラストと文章で、繰り返し繰り返し車窓を満喫してました。

 

鉄道ものの著作で有名な(らしい)筆者が、
1982年の横浜からナホトカまでの船旅、

ナホトカからモスクワまでの鉄道旅の様子を、
軽快かつ詳細に描いた紀行本。
車窓の眺め、車内の様子。
簡潔だけれども眼前に光景がありありと広がります。
ありありすぎて、船旅のひどい揺れの描写では、自分まで酔ってしまいましたが・・・。
シベリア鉄道は、延々と風景が変わらず退屈みたいなことを、
子どもの頃読んだ記憶があるのだけど、
筆者はいろんなことに興味があって忙しく、充実していたようです。
(ということは、子どもの頃読んだのは、他の人が書いたものか)

 

シベリア鉄道の暖房は、古くさい石炭ストーブ。
技術的に電気暖房も可能だろうに、なぜこんな人手がかかるものを使うのか?
筆者は帰国後、専門家に尋ねました。
いわく、技術的には電気やスチーム暖房も可能である。
しかしもし停電したりパイプが切れたりしたらどうなるか?
他の国なら寒くて震えるだけですむが、
シベリアでは凍え死ぬ。
だから石炭ストーブが最も安全確実なのだそう。
・・・約40年前の旅なので、今はどうか知らないけど、
筆者も読者も、奥が深いのだなあと感心するのでした。

 

やっぱり憧れ~~~

 

 

 

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