その日暮らし

精神的その日暮らし

【読書】ドン・イシドロ・パロディ 六つの難事件

 

 

アルゼンチンの二人の小説家が1940年代に共著で書いた推理もの。
殺人罪で長期間牢に入れられているドン・イシドロ・パロディが、
(一方的に)面会に来る人々の話を聞きながら事件を解決する。
安楽椅子探偵”ものと言うのでしょうか。

 

ただこの主人公、無実であるばかりか、
警察も無実であることを分かって逮捕しているのです・・・。
真犯人を逮捕すると選挙戦に差し障るという理由で、まったく関係ないのに投獄され、
21年の刑のうち、かれこれ14年が過ぎ・・・。
この設定が強烈すぎて、そこにすべて集約されてしまう感。
とはいえ暗い雰囲気はないです。

 

面会に来る人々は、
どいつもこいつもダラダラ無駄なことを織り交ぜまくって饒舌に喋り倒すので、
読んでるこちらは状況がよく分からない。
作者は意図的にそうしているのか否か・・・。
推理(種明かし)については、
どんでん返しというか「おっ?」と言わされる感があって良いのだけども。
状況が分かりにくため「おっ?」が弱まっている気もする・・・。

 

ところで共著って、どうやるんだろう?
どのへんがどう共著なのかを知りたいところです。

 

 

 

 

 

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【読書】緑内障 最高の克服法大全

 

 

孫子は言いました。
「敵を知り己を知れば百戦危うからず」と。

 

だから敵を知るために読んでみたけど・・・
知っても危ういよ!?!?!?

 

しかし今まで疑問に思っていたことの答えが得られたし、
多くのことを知ることができました。
敵を知らないよりは、知っていた方が良い。

 

表紙は煽るような感じだけど、中身は分かりやすく丁寧に書いてあって良いです。

 

 

 

 

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【読書】ホーム・ラン

 

ホーム・ラン

ホーム・ラン

 

 

タイトルと表紙の爽やかさに、だまされてはいけません。
中身はいつもの、薄暗いミルハウザー世界です。
勘違いして買ったら、中身にびっくりするだろうな。
(私は逆に、表紙の爽やかさにびっくりした方です)

 

 

「ミラクル・ポリッシュ」訪問販売から鏡磨きの怪しい壜を買い、軽い気持ちで使った男は・・・。
表紙に期待した人は、まず最初のこの話で薄暗い闇に突き落とされるだろう。
構成がすばらしい短編。
ラクル・ポリッシュ、あなたなら使いますか?

 

「十三人の妻」さほど好きな話ではないが、訳の分からなさが突き抜けているところが良い。

 

アルカディア」最高に心地よい隠遁所、アルカディア
完璧に行き届いた設備に、ああこんなところへ滞在してみたいなあと思いつつ読み進めると・・・

 

 

「若きガウタマの快楽と苦悩」日本人はぼんやりとはいえだいたい知っているであろう、ガウタマ・シッダールタの若き日の話が、
きっちりミルハウザー世界に描き換えられているのが面白い。
こんなことが可能なのか・・・。

 

 

表題作「ホーム・ラン」短い作品だけど、なんともいえない味わいがある。

 

 

巻末の「短編小説の野心」というエッセイ、
ただの雑記のようなものかと思ってたら、ほぼ小説で楽しく読みました。

 

 

 

 

 

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【読書】中国幻想ものがたり

 

中国幻想ものがたり (あじあブックス)

中国幻想ものがたり (あじあブックス)

 

 

古代から清の時代まで、
(現在で言うところの)中国で書かれた多くの幻想ものがたりを、
種類別にまとめて分かりやすく解説した本。
ほうほう、いろんな物語があるのですなあ。
どういう人々が、どういう気持ちで、
これらの物語を読んだり聞いたりしていたのかなあ。

 

仙界や理想郷が地続きの山のかなたに設定されたのは、
大陸にある国で、西の果ては謎に包まれていたからこそでしょうか。
日本は狭い島国だから、地続きに理想郷があるとは考えないよね。
海の向こう。もしくは天上?

 

 

科挙の話がしばしば出てきますが、
なんでこんな複雑なシステムを、
王朝が変わっても長く維持してきたんだろうねえ。
超超難しい試験で、賢くてもなかなか受からない。
受からねばというプレッシャーが重すぎる。
受かると受からないとでは、人生が天国と地獄。
こんなシステムで中央官僚を得ていては、
そりゃあ、だんだん、うまくいかなくなってしまうよねえ。
宦官といい、不自然に硬直したシステムが、
連綿と受け継がれてきた奇妙な歴史だなあと思う。(すこぶる面白いです)

 

 

 

 

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【読書】年月日

 

年月日

年月日

  • 作者:閻連科
  • 発売日: 2016/11/10
  • メディア: 単行本
 

 

大日照りに襲われ、村人たちが出て行った村に残った、
一人の老人と一匹の犬。
たった一本残ったトウモロコシを守りながら、
一人と一匹は絶望の崖っぷちで、
しかしそうとは思えぬほど力強く、生きていく。

 

シンプルなストーリーなのに、なぜこんなに一気に読んでしまうのか。
描写もすばらしいです。
来る日も来る日も大地を焦がす、太陽の光の描き方など。
太陽に真っ赤に染められる山脈。
それは日に日に死が迫っていることを示すわけですが、
なんとダイナミックな光景なんだろうか。

 


それにしても気候変動の恐ろしいこと・・・。

 

 

 

 

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