その日暮らし

精神的その日暮らし

マリー・アントワネットの宮廷画家

副題は「ルイーズ・ヴィジェ・ルブランの生涯」。
表紙の絵は、ルイーズの自画像。
よくある美しい貴婦人画かと思いきや、よく見ると左手にパレットと筆。
勇ましいですね。
女性の人権がかなり侵害されていた時代。
妻が自ら稼いだ金さえ夫のものとされ、夫の許しがないと自由に使えなかった時代。
女にこんな素晴らしい絵など描けるわけがないとされ、ルイーズの絵も他の男が描いたのだと中傷されるような時代。
そんな時代に、ルイーズは絵筆によって一人生き抜いた。
才能を認められ、上流階級からひっきりなしに肖像画の注文を受け、
マリー・アントワネットの信頼もかちえたルイーズ。
しかしそれゆえに、革命が起こるとギロチンの恐怖にさらされた。
なんとかフランスから逃げた後は、イタリア・ロシア等を流浪する日々・・・。
その間も彼女は、絵筆によって金を稼ぎ、自分と娘の道を切り拓いていった。
かっこいいですね。
自画像を多少若く描いてるらしいことも、許せてしまうね。
載せられた作品の数々も魅力的です。
写真の無かった当時は、肖像画ってすごく価値があったんだろうなあ。



高校の世界史でフランス革命について習った時、
フランス革命は貧しい民衆の勝利であり、良い出来事だったというイメージで、学習した記憶がある。
しかしこの本は、フランス革命について否定的な立場を取っているように感じられる。
それは、目線がルイーズに置かれているせいかもしれないが。
先日読んだ佐藤亜紀さんの小説でも、フランス革命は否定的に描かれていた。
信じられない贅沢三昧の貴族たちの下で、民衆が貧困にあえいでいたことは事実だが、
この筆者らはおそらく、革命の名の下で行われた血で血を洗う愚行、
革命の行われ方(ぴったり来る表現が見つからないな。何て言えばいいだろ)を非難しているのだと思う。
歴史を一面的に見ては、やはりいけないのですなあ。
・・・ふと思ったのだが、ベルばらをまじめに読んだ人は、この点についてとうに気付いていたんだろうか?
(私は適当に読んだので、特に価値観の変化とかはなかった・・・)






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