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歴史と視点

 

歴史と視点―私の雑記帖 (新潮文庫)

歴史と視点―私の雑記帖 (新潮文庫)

 

 
昭和40年代(たぶん)に書かれた、エッセイ集的なもの。
前半は、太平洋戦争と、自身がじかに体験した戦車について書いてあります。
後半は日本史の中のあれこれを取り上げている。
実際に戦争に駆り出された人の生々しい話は、
戦争がいかに残酷でバカバカしいものかが、ひしひし伝わってくる。
この世代の人が、一人また一人と亡くなっていく現代に、
不安を覚えるのは私だけではあるまい。

 

前半で最も印象的なのは、
大正生まれの特殊性の話。
「大正時代というのはわずか十四、五年しかないのに、
その年代にうまれたひとのほとんどが兵士として駆り出され、
多くが戦死したため、戦争に使われた世代として、後続の世代のひとびとからは
一つカラーのようにみられるらしい」(本文より)
私の祖父母は大正生まれなわけですが、
なるほどこれが、大正生まれの人の実感なのか。
司馬遼太郎は大正十二年生まれ)

 

後半で最も印象的なエピソードは、
昭和26年、筆者が新聞記者として、
京都の施設を見学する昭和天皇を取材していた時、
ぼんやりと隣に立っていたら、振り向いた昭和天皇と衝突したという話ですね。
なんてユルい警備体制だろう・・・。
昭和40年代でもありえないようですが、現代でもありえない。
貴重な体験というか何というか・・・。

 

 

 

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