「100万人の群衆の中から、この本の著者を簡単に見つけ出す方法がある。
まずは、空が真っ黒になるほどのバッタの大群を、人々に向けて飛ばしていただきたい。
人々はさぞかし血相を変えて逃げ出すことだろう。
その狂乱の中、逃げ惑う人々の反対方向へと一人駆けていく、
やけに興奮している全身緑色の男が著者である」(本文冒頭より)
この出だしで、ほとんどの読者の心のつかみはオッケー。
ちなみに緑色の服を着るのは、全身バッタまみれになりたいからだって!ひぃー!
著者はファーブルに憧れる若手研究者。
アフリカでは今でも時々、バッタの大群が突如襲ってきて、
人々の生活に深刻な影響を与えています。
そんなバッタと戦うため、著者はアフリカのモーリタニアで研究を始めるのですが、
モーリタニアの文化習慣に振り回されるわ、
バッタはなかなか姿を現さないわ、
無収入になるわと、トラブル続き。
しかし著者は、バッタのため、アフリカのため、自身の将来(就職)のため、
がむしゃらに突き進みます。
とても面白く読みました。
ただ、虫が嫌いな人(私のことだ)とか、
小さいものがうじゃうじゃ集合してるのが嫌いな人には、
時々キツい写真があります。
しおりで隠しながら読みましょう。
何もかも印象深いエピソードばかりだけど、
若手研究者の置かれた不安定な立場には驚いたね。
研究を続けるには就職先は非常に少なく、給料を得るのも至難の業。
夢を追うすばらしさを著者は語っているけど、
これ読んだら研究者になりたいとは思えんわ・・・。
それを乗り越えた勇者だけが、真の研究者になれるのか?
いやいや、それにしたって綱渡りすぎではないかと・・・。
あと、モーリタニアに今でも残るガバージュという恐ろしすぎる伝統の話・・・。
太っている女性の方が美しいとされるため、
女児に強制的に大量飲食させ、太らせるというもの。
どう考えても虐待だろ、これ。
政府はやめましょうと言ってるけど、なくならないらしい。
ひどいわ・・・。
「白眉プロジェクト」っていう名前かっこいいな。
小学校高学年から読めるそうなので(帯にそう書いてある)、
10代の人に読んでもらいたい一冊。(もちろん大人にもオススメ)
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