その日暮らし

精神的その日暮らし

憂鬱な10か月

[rakuten:hmvjapan:16536107:detail]
「まだ若いとさえ言えず、生まれたばかりだとさえ言えないこのわたし」(本文より)
つまり胎児であるわたしは、
人々の会話や、母親の聞くラジオを通して、
世界の多くの状況を知り、
複雑な政治情勢やワインや詩などについて考察している。
そしてわたしは知ってしまったのだ。
母親には愛人がおり、
二人でわたしの父親を殺そうとしているということを・・・。



ぶっ飛んだ設定がまず面白い。
胎児のくせに冷静で毒舌な語り口の勢いと、
両親の運命、
さらにこんな修羅場の渦中にもうすぐ産み出される主人公の運命、
が気になって、一気に読んでしまいました。
言われてみれば私も、ふっと思ったことがあるよ。
妊娠中の妹と話しながら、
あっ、この会話、お腹の子に聞かれてるかもしれないなあ、
二人目ができたら一人目の子が嫉妬して二人目をいじめるかもね〜
みたいな話を、この胎児はじいっと聞いてるかもしれないんだなあ、と。
うかつなことは言わない方がいいかな、と。
この作者も、妊娠中の義理の娘さんと話をしていた時に、
この小説のネタを思いついたそうです。
ネタを逃さずすくい上げる嗅覚って大事。






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