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【読書】丁子と肉桂のガブリエラ

 

丁子と肉桂のガブリエラ

丁子と肉桂のガブリエラ

 

 1958年出版のブラジル文学。
ブラジルではとても有名で映画化・ドラマ化されている作品だそう。

 

舞台は1925年ブラジルの小さな港町イリェウス。
カカオで潤い、ただの田舎町から急激な発展を遂げており、
新しいものもどんどん入ってきている町だが、
一方で土地抗争の頃の野蛮さも色濃く残っている。
邪魔な政敵を暗殺したり・・・
不貞を働いた妻と愛人を、夫が殺すのは当然のことであったり・・・。

 

読み始めの最初は、男たちが主人公かと思う。
カカオで大金持ちになり、大金を投じて妾を囲い、もしくは娼婦に入れ込む男たち。
一方で妻たちは自由もなく台所に閉じこめられ、夫に服従するしかない。
しかし読み進めるうちに、女たちが堂々たる姿をぐいぐい押し出してくる。
貧しいガブリエラは、自らの能力と才能で道を切り開く。
金持ちの娘マルヴィーナは、結婚して奴隷のような生活をせざるを得ない未来に反発する。
金持ちに囲われているグローリアは孤独に苛まれているがやがて・・・。
物語が始まると同時に、夫の手により愛人と共に殺されたシニャジーニャも、
すでに死んでいるにも関わらず存在感を放つ。

旧勢力と新勢力が対立し、町の歴史が大きく動く中で、
女たちが男たちを動かしていく・・・。

 

南米の作家である、
ガルシア=マルケスやバルガス=リョサ(「緑の家」しか読んでないけど)と、
どことなく似たものを感じたのだけど、
南米大陸は広いし、国も異なるのだから、そう簡単に決めつけてはいけないね。

 

面白かったです。
とにかく人の名前と設定を覚えるのが大変で、
読み終わった今も、頻繁に名前が出てくるにも関わらず、
いまいち設定が分かってない登場人物が複数いるくらいですが、
まあそれでもなんとかかんとか。
人物が魅力的でキャラが立っているので、映像化向き。
自分の意思を通す強い娘、マルヴィーナが好きです。
あとジェルーザも好き。
金持ちの娘で、目だった行動はせず、古い規範の中におさまっているのだけど、
ガブリエラたちに影響されて、徐々に目覚めていくところがいい。

 

あーー!!ガブリエラの作る美味しそうな郷土料理、食べてみたい!!

 

 

 

 

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