『羊をめぐる冒険』の続編にあたる長編小説。
大昔に読んだものの再読です。
『羊をめぐる冒険』から、なんとか日常に戻った“僕”だったが、何かが足りない。
僕は出発点にただ戻っただけだったのだ。
次にすべきこと、それはあの「いるかホテル」にもう一度行くことだ。
そしていざ「いるかホテル」の前に立った僕を待ち受けていたのは・・・。
「踊るしかないんだよ」
「それもとびっきり上手く踊るんだ。みんなが感心するくらいに。」
そう羊男は言った。
見つからない彼女。ホテルの精。行き詰っている少女。イケメン人気俳優。
僕は上手くステップを踏めているだろうか?
これ舞台が1983年なんですよ・・・。
まだバブル崩壊してなくて、
日本が右肩上がりの時代という認識で間違ってないですか?
(なんせ私の記憶がほとんどない時代なので)
30年以上前に書かれた、40年近く前が舞台の小説なのに、
基本的な生活スタイルは現在とほとんど変わらず、
まったく違和感ないというのが、奇妙な感じですね。(せいぜい携帯電話がないことくらい)
それだけ、日本がその頃にはすでに成熟していたということですかね。
時代の変化を感じる部分もあります。
例えば、“僕”が、仕事はなにかしら見つかるだろうと楽観視してるところ。
今の時代にこういう楽観は無い気がする。
少しドロップアウトしたら、あとは社会の底辺で奴隷になってしまうような感じがする。
一方で、人間の根本的な悩みは変わらないんだなあとも思う。
ユキのキャラが良い味を出している。
ユキには幸せになってほしい。
両親は、“僕”にも説教をされていたが、どんな事情があるにせよ自分勝手すぎる。
ユキがかわいそうである。
この物語の後、人生の方向性を見出してほしいものである。
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