その日暮らし

精神的その日暮らし

陰翳礼讃

谷崎潤一郎随筆集』(岩波文庫)を読みました。
目的は「陰翳礼讃」という随筆。
何かの本で誉めてあったので気になってたところ、
有名人のインタビューで、好きな作品としてこの随筆の名前を出すのがやたら目につくようになったので、
どの本に収録されてるのか、頑張って探して読んでみた。



「陰翳礼讃」は、日本人が、いかに陰影を生かして美を愉しんできたかを、
具体的な例を上げて分かりやすく解説した随筆です。
昔の暗闇というものは、尋常なものではなかった。想像もできないほどの真の闇。
(この闇の描写が秀逸なんですよまた)
その中で日本人は、暗い室内でこそ生まれる美を愉しむようになった。
漆器の吸い物椀の美、能の美、女性の美・・・
鉄漿(おはぐろ)なぞ、現代では何の意味があるのか理解できませんが、
それがどのように女性の美を形作っていたか。
など、知らないことばかりで勉強になります。
他にも「らん惰の説」(らんの字は漢字が探せませんでした)「恋愛及び色情」という随筆でも、
「陰翳礼讃」と同じく、西洋(時に中国)との対比を示すことで、日本文化や日本人の特性を描き出しています。
「私の見た大阪及び大阪人」は、東京生まれの東京育ちである筆者が、
関西に移り住んでから感じた大阪の特性、東京との違いについて書かれています。
かなりおもろい。大阪好きは読むべき。
でもたまに、大阪から西に続く中国地方について、広島人としてはムッとすることも書いてあるのがちょっとな・・・。



昭和ひとケタ台に書かれたものなのに、現代の作家が書いたと言われても違和感ないほど読みやすく、
深い洞察力に目を見張らされる作品ばかりでした。
(注:中には戦後に書かれた随筆もあります)
その他の文学批評とかの随筆は、よく分からんかったけどね・・・。






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