その日暮らし

精神的その日暮らし

2008-01-01から1年間の記事一覧

十二の遍歴の物語

「十二の遍歴の物語」ガルシア=マルケス著 作者はコロンビア出身で、82年にノーベル文学賞を受賞しました。 12作入った短編集。 人生の孤独や寂しさ、空しさ、不条理がひしひし感じられる作品たちですが、 語り口は陰鬱ではなく、乾いていて読みやすい。 た…

ポアロ登場

ポアロ登場 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)作者: アガサ・クリスティー,真崎義博出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2004/07/15メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (13件) を見る作家デビュー直後に書かれた、ポアロ短編もの。 ポアロの物腰…

バーナム博物館

バーナム博物館 (白水uブックス―海外小説の誘惑)作者: スティーヴンミルハウザー,Steven Millhauser,柴田元幸出版社/メーカー: 白水社発売日: 2002/08/01メディア: 新書購入: 6人 クリック: 27回この商品を含むブログ (58件) を見るスティーヴン・ミルハウザ…

電話☆トラブル

それは休日の午後のこと。一人でいる部屋に、電話が鳴り響いた。 プルルルル 私「はい、もしもし」 相手「あの、お聞きしたいんですけど」 私「・・・はあ」 相手「××バス停から○○方面に行くバスの、朝一番早いのは何時発ですか?」 え・・・・えええ? 相手…

十角館の殺人

十角館の殺人 (講談社文庫)作者: 綾辻行人出版社/メーカー: 講談社発売日: 1991/09メディア: 文庫購入: 32人 クリック: 1,066回この商品を含むブログ (218件) を見る綾辻行人さんの作品を読んだのは2冊目。 前に作品を読んだのは、表紙があまりに好みだった…

チムニーズ館の秘密

[rakuten:book:11234444:detail] クリスティーの、冒険ミステリもの。 初期の作品です。 政治家、外交官夫人、大泥棒、財界の大物、外国の王子、 などが入り乱れて面白い。 以前紹介した下の本は、この本の続編のようなものです。七つの時計 (ハヤカワ文庫…

有頂天家族

有頂天家族作者: 森見登美彦出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2007/09/25メディア: 単行本購入: 29人 クリック: 857回この商品を含むブログ (373件) を見る最近、同じ作家ばかり読んでる気がする・・・。 そろそろ小休止しようかな。 てなわけで森見氏です。 …

葬儀を終えて

[rakuten:book:11208296:detail] 大富豪の男が病死した。 葬儀が終わり、親戚が集まった席で、遺言が公開される。 そんな中、死んだ男の妹が、「リチャードは殺されたんでしょう?」と言い放つ。 少し頭の弱い彼女の言葉を、誰もまじめに受け取らなかったが…

「新釈」走れメロス

新釈 走れメロス 他四篇作者: 森見登美彦出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2007/03/13メディア: 単行本購入: 35人 クリック: 814回この商品を含むブログ (340件) を見るまた森見登美彦さんです。 や、この人今昇り調子だから、 直木賞なんか受賞して、図書館…

牧師館の殺人

牧師館の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)作者: アガサクリスティー,Agatha Christie,田村隆一出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2003/10メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (15件) を見るミス・マープル長編初登場作。 牧師館で、判事…

四畳半神話大系

四畳半神話大系作者: 森見登美彦出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2004/12メディア: 単行本購入: 17人 クリック: 1,270回この商品を含むブログ (323件) を見る森見氏の本です。 最初は、「夜は短し歩けよ乙女」などと同じ、 プライドばっかり高いダメ大学生…

マギンティ夫人は死んだ

マギンティ夫人は死んだ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)作者: アガサクリスティー,Agatha Christie,田村隆一出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2003/12/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (18件) を見るポアロの元に、なじみの…

夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女 [ 森見登美彦 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 小説・エッセイ > 日本の小説 > 著者名・ま行ショップ: 楽天ブックス価格: 1,620円森見氏の作品を読むのは、2冊目です。 うー。ファンになりそう・・・。 ヘタレ男子大学生と、彼が恋する…

おひとりさまの老後

おひとりさまの老後作者: 上野千鶴子出版社/メーカー: 法研発売日: 2007/07/01メディア: 単行本購入: 13人 クリック: 480回この商品を含むブログ (176件) を見るやっと読めました! タイトルを見た祖母に、 「かもちゃんは結婚したのになぜ?」 と言われまし…

殺人は容易だ

殺人は容易だ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)作者: アガサ・クリスティー,高橋豊出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2004/03/16メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (10件) を見る元警官のルークは、電車で偶然出会った女性に、奇妙…

駆け込み、セーフ?

駆け込み、セーフ?作者: 酒井順子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/02/09メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (24件) を見る2005年〜2006年に書かれたエッセイ。 相変わらず柔らかい語り口で、しかし鋭く世相に斬りこんでいて、面白い。…

桃山さん・ラスト

桃山さんの話・その5 冬の間、桃山さん宛て電話はほとんどなくなり、 もう桃山さんからは解放されたと思っていた。 ところが、今年の春になると、再び増え始めたのである。 去年の春ほどではないにせよ、結構な数だった。毎日かかってきた。 まるでそれまで…

桃山さん・その4

風邪をひいたため、アパートにこもりっきりで、 退屈で寂しいので、パソコンに向かう私。 そんなわけで、続きを書きます。 桃山さんの話・その4。 努力の甲斐あってか、桃山さん宛ての電話は少なくなっていった。 結婚して一年経った頃の冬には、営業電話は…

桃山さん・その3

桃山さんの話・その3。 次に私が考えたのは、どうやって桃山さん宛ての電話を減らすかということだった。 地道だが、かかってくる度に言うしかない。 私は何となく、不安を覚えていた。 電話の相手は7割が、営業のようだったからだ。 何年も会社で電話を取…

桃山さん・その2

桃山さんの話・その2。 桃山さん宛ての電話がしばしばかかり、 その度に電話を取っては、違いますと言う日々。 くつろぐ部屋と電話のある場所が遠いので、 夕食後のんびりしてる時に、わざわざ電話を取りに行って、 桃山さんですかと言われた日には、腹が立…

ベイスボイル・ブック

ベイスボイル・ブック作者: 井村恭一出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1997/12メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (16件) を見る日本ファンタジーノベル大賞受賞作。 またあらすじが書きづらいんですが・・・ とある南の島で、“わ…

桃山さん・その1

いつか書こうと思っていた、桃山さんの話。その1。 桃山さんというのは仮名です。 ありふれた名前じゃないけど、特別珍しいわけでもない、 そんなところが似ているので、桃山さんという仮名を使う。 桃山さんとの出会いは、結婚してすぐの頃だった。 アパー…

ヘラクレスの冒険

ヘラクレスの冒険 (ハヤカワ文庫) [ アガサ・クリスティ ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 文庫・新書 > 文庫 > その他ショップ: 楽天ブックス価格: 1,101円エルキュール・ポアロのエルキュールは、フランス語読みでヘラクレスの意。 引退を控えたポアロは…

理系の人々

理系の人々作者: よしたに出版社/メーカー: 中経出版発売日: 2008/09/27メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 9人 クリック: 164回この商品を含むブログ (176件) を見る漫画だけど・・・。 本屋で見かけて、立ち読みしました。 面白いね!確かに理系の人っ…

ゴルフ場殺人事件

ゴルフ場殺人事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)作者: アガサクリスティー,Agatha Christie,田村隆一出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2004/01/01メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 25回この商品を含むブログ (23件) を見るスタイルズ荘に続いて2作目に…

ニジュクとサンジュウのあいだには

[rakuten:book:10984396:detail] こんな本を見つけたので、タイトルに引きずられて読んでみた。 酒井順子さんは有名ですよね。 この本で。負け犬の遠吠え (講談社文庫) [ 酒井順子 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 文庫・新書 > 文庫 > その他ショップ: …

予告殺人

予告殺人 (ハヤカワ文庫) [ アガサ・クリスティ ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 文庫・新書 > 文庫 > その他ショップ: 楽天ブックス価格: 993円「殺人お知らせ申し上げます」 田舎のとある村で、ほぼ全ての家に配られているローカル新聞。 その私用広告…

昔、火星のあった場所

昔、火星のあった場所作者: 北野勇作出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1992/12メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (4件) を見るファンタジーノベル大賞優秀賞作品です。 あらすじが書きづらいんですが・・・ 火星とか、空間のゆがみとか、 …

ゼロ時間へ

ゼロ時間へ (ハヤカワ文庫) [ アガサ・クリスティ ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 文庫・新書 > 文庫 > その他ショップ: 楽天ブックス価格: 820円「私はね、よくできている探偵小説がすきなのだ。 だがね、どれも出だしがいけない! みんな殺人ではじま…

怒りの葡萄

「怒りの葡萄」スタインベック著、を読みました。 1930年代アメリカ。 1929年の世界恐慌以後、不作にも見舞われた小作人たちは、 人間味の欠ける奇妙な市場原理の下、生きるための土地を奪われた。 仕方なく彼らは家財道具を車に積んで、 仕事があるという西…