少し毛色の変わった中国歴史もの短篇集。11人の作家が名を連ねてます。
うん、面白かった!
別に異色じゃない短篇もあったけど、それはそれで面白かった!
特に印象に残ったのは、下記。
「茶王一代記」田中芳樹
野心を抱き、王にのしあがった人物は、歴史に幾人も名を連ねていますが、
その野心が“腹いっぱい茶を飲みたい”であった王なんて聞いたことがない!
茶に魅入られた男、茶王の物語。
「西施と東施」中村隆資
西施は歴史に名を残している美女。東施は西施と仲の良い醜女。
東施は醜いゆえに村人から嘲笑される。
西施は美しさゆえに、望んでもいないのに他国の王へ贈られる。
・・・傾国の美女は、しばしば悪女扱いされる。
実際どうだったのかは分からない、本当に悪女だったかもしれないけど、
美女は必ずしも、進んで王のものになったわけではない。
あの時代、女の希望が聞き入れられるはずがない。
無理やり妾にしておいて、王が夢中になったら、
王をたぶらかした悪女扱いって、言われてみればおかしい。
東施は言う。
「女ひとりに誑かされておかしくなっちゃう王さまって何?(中略)
そんなバカ野郎を担いでる国なんか、亡びて当たり前じゃないか。
国ってものがそこまで堕ちれば、豚がおならしたって滅びる時は滅びる」
(301〜302ページより)
語り口の好みは分かれるだろうけど、歴史を別の角度から見させてくれる一篇。
「屈原鎮魂」真樹操
屈原についての話を初めて読んだので。
教えられたイメージと、だいぶ違っていたので、へえ〜と。
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