無実はさいなむ

無実はさいなむ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

２年前、息子が母親を殺すという事件が起こった。
息子はアリバイを主張したが、確認できず有罪となり、やがて獄中で病死した。
忌まわしい事件の記憶から、ようやく立ち直りかけていた家族のもとへ、一人の男が訪れる。
彼は２年前のアリバイを証明できるという。死んだ息子は無罪なのだと・・・。
しかしそれは、再び家族を苦悩と絶望へと追いこんでゆく・・・
「問題は、有罪になった人じゃないんです。無罪です」（本文より）



クリスティーのノン･シリーズ（特定の名探偵が出てこないシリーズ）。
英語のタイトルは「ORDEAL BY INNOCENCE」。
英語タイトルのおぞましさに表れている通り、悲劇的なストーリーが繰り広げられます。
奥深いドラマ、重層的な人間心理、共に切々と描かれていて、一気に読まされました。
個人的には傑作の部類に入ると思うんですが。






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