その日暮らし

精神的その日暮らし

もの言えぬ証人

もの言えぬ証人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

もの言えぬ証人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

大金持ちの老婦人が死に、その莫大な遺産は一族の人間ではなく、一人の家政婦に贈られた。
死ぬ前に、老婦人の身に起こった出来事・・・
ポアロへの手紙・・・
老婦人の飼っていたテリア犬はその時・・・



面白かったです。
テリア犬が生き生き描かれてて、クリスティーは犬が大好きだったんだろうな〜と思った。
上手いこと言うなと感心した箇所があって、
一箇所は、なぜ犬が郵便屋を嫌うのかというポアロの考察。なるほどね〜。犬ってそういう風に考えそうだ。
もう一箇所は、ポアロ若い女性に、なぜあなたは恋人のことを好きなのかと問うたところ。
女性は言う。



「理由なんてある?どうしてジュリエットがロミオにまいったか、ご存じ?」(本文より)



恋するのに、理由なんて無い。きっと多くの人はそう信じている。
好きになったから好きなのだ。そんなロマンティックな恋に酔いしれる。
しかしポアロは現実的だ。



シェイクスピアはどういうか知らないですが、ロミオはジュリエットの会った最初の男だったことが、理由のひとつでしょう」(本文より)



この見事な切り返し。
運命的な恋が、あっという間に若者の浅はかな恋に変貌。





あと3冊・・・






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