冬の犬

冬の犬 (新潮クレスト・ブックス)

カナダ東部、厳寒のケープ・ブレトン島を舞台にした短編小説集。
厳しい冬、家畜と共に暮らす重労働の日々、過酷な自然、
生々しい繁殖行動…動物も人間も…、
不思議で不吉な力や存在、
そして消えていくゲール語、スコットランドからの移民“高地人（ハイランダー）”たち…
そういったものが重厚に描きこまれた本です。
雰囲気は暗めですが、圧倒的な重みを持った世界に惹きこまれます。



ところでケープ・ブレトン島なんて聞いたことない人がほとんどでしょうが、
なんとあのプリンス・エドワード島のすぐ隣にあるのです！
ケープ・ブレトン島がこれほど過酷な自然であるならば、
牧歌的なイメージのプリンス・エドワード島も過酷な環境なのではなかろうか。
そのあたりも興味深い一冊。






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