その日暮らし

精神的その日暮らし

木に登る王

スティーヴン・ミルハウザーの新作。
新作といっても原書刊行は2003年、邦訳刊行されたのが最近ということ。
男女の愛憎が複雑に入り混じる中編が3作収められてます。
「復讐」は構成がとてもうまいのだけど、
既婚女性としては語り手に同情して胸が痛んでしまい中立に読めない。
「木に登る王」は有名な“トリスタンとイゾルデ”の物語をベースにして、
三角関係の奇怪な心理を綿々と綴ったもの。
「ドン・フアンの冒険」もそうだけど、
なんとかなりそうでどうにもならない、
逃げられそうで逃げられない、
ハムスターのように回し車の中を永遠に走り続けるような
苦悶の三角(四角)関係を、
これでもかってくらい、つぶさに書きこむところが、
さすがステイーヴン・ミルハウザー
絶対この話の当事者にはなりたくないけど。



訳者さんが頑張ってくださるおかげで、
新作を次々に読むことができます。ありがとうございます。
未訳の作品もどうかよろしくお願いします。






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