その日暮らし

精神的その日暮らし

アガサ・クリスティー自伝

アガサ・クリスティー自伝〈上〉 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

アガサ・クリスティー自伝〈上〉 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

アガサ・クリスティー自伝〈下〉 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

アガサ・クリスティー自伝〈下〉 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

1890年に生まれ、1976年に85歳で亡くなったミステリの女王が、
60歳〜75歳の間に書いた自伝。
古き良きヴィクトリア朝の空気が残る中で過ごした、幸福な子ども時代、
経済的な没落、父の死、
恋愛、結婚、第一次世界大戦、出産、子育て、世界旅行、
母の死、夫の浮気と離婚、
2度目の結婚、中東での遺跡発掘の日々、第二次世界大戦・・・
多くの幸福と、多くの苦しみの中、
アガサ・クリスティーは生きる希望と喜びを決して失くしたことがなかった。
戦争中の生活の恐ろしさ・・・特に第二次世界大戦では、毎日空襲にさらされ、
いつ自分や家族が死んでもおかしくなかったと言う。
そんな中で、彼女は小説を書き続けた。
最初の夫・・・クソだよこいつ・・・著者はほとんど、夫を責める言葉を書いていませんが。
母を亡くした妻が、何ヶ月もかけて一人で母の家を整理しながら、
悲しみのあまり病気にまでなってる時に、
愛人こさえてそいつと結婚したいから離婚してくれと迫る、これがクソ夫じゃなくて何であろ。
あれだけ愛し合っていたのに。可愛がっていた娘も捨てて。
だが2度目の結婚で、再び幸福をつかんだようで、良かった。
40歳にして、13歳年下の若者と結婚。
彼は考古学者だったため、一緒に中東へしばしば足を運ぶようになる。
それは著者にとって、驚きの連続の、新鮮な日々だった。
だがこの自伝で一番読み応えがあるのは、子ども時代の話ではないかと個人的には思う。
よくこれほど詳細に覚えているものだ。
古き良き時代の最後の頃、子どもたちはどんな遊びをしていたのか、どんな暮らしを、どんな考え方を。
召使いに対する考え方は、現代日本人には理解しづらいかもしれない。
召使いなのに尊敬する。尊敬するのに召使い。???



聖書とシェイクスピアの次に読まれているというほどのミステリの女王が、
どれだけ普通の女性、普通の主婦であったかがよく分かる、興味深い自伝だった。






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