その日暮らし

精神的その日暮らし

吉里吉里人

吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)

吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)

吉里吉里人 (中巻) (新潮文庫)

吉里吉里人 (中巻) (新潮文庫)

吉里吉里人 (下巻) (新潮文庫)

吉里吉里人 (下巻) (新潮文庫)

やっと読み終わった!!
べらぼう長かった!!





東北の小さな村が、突然独立を宣言した。
国際法上独立可能な吉里吉里国だが、日本はもちろん快く思わない国もたくさんある。
偶然独立騒ぎに巻きこまれた三文小説家、古橋の目を通して、
吉里吉里国というユートピアの理念と実践、日本国の問題点と暗部を、
笑いあり涙あり、ブラックユーモアにたっぷり浸してとくとご覧あれ。





すごい。
長さもすごいけど、豊富な語彙、設定、ストーリー展開もすごい。
日本の問題点を喝破し、対照的に吉里吉里国がどのような制度を敷いているか、
その克明な描写がすごい。
国内政治・国際政治・経済・軍事・農政・医療・その他諸々、
膨大な資料を基にした分析議論主張が多く書かれてるのですが、その通暁ぶりがすごい。
(勉強になるよ。理解するのにちょっと頭使うけど・・・)
各国大企業(マスメディア含む)を、伏字等することなく使ってるところが、
その上皮肉にこきおろしてるところがすごい(抗議されなかったのかな)
男女間のオトナな用語や描写が頻出してるところがすごい。
頻出どころじゃないよな・・・抗議されなかったのかな。
何よりすごいのは、吉里吉里人の喋る吉里吉里語(ズーズー弁)でしょうか。
吉里吉里人の喋り言葉は、ほぼ全て吉里吉里語で、それには吉里吉里語のルビが振ってあります。
読んでるうちに、染まってくる。
日常会話で「1(いち)」と耳にすると、自然に「えぢ」と変換しちゃうようになる。
吉里吉里語のルビを丁寧に読んでると、時間がかかるわけですが、これを読まなきゃ意味ないと思う。





しかし暗澹たる気持ちになるのは、この作品が描かれたのは30年くらい前なわけですが、
ここで糾弾されている日本国の問題点は、30年経った今もあまり変わっていないという事実です。
自給率の低さとか・・・。





文庫じゃなくて、昭和56年出版のを読んだので、ほんま重かったわー。
とても面白かった!!ためになった!!






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