その日暮らし

精神的その日暮らし

嵐が丘

嵐が丘 (新潮文庫)

嵐が丘 (新潮文庫)

10代の頃読んだことがあり、最近また気になり、再読したいと思ってました。
が、前回読んだ時の印象が恐ろしくて恐ろしくて。
面白かったかどうかは覚えてないんだけど、とにかく怖かった。
それで読むのを恐れてたんだけど、ついに手に取りました。




超有名作なんで今更あらすじは不要でしょう。
ドロドロ極まる愛憎劇。愛っていうより憎の方が圧倒的。
悪意が悪意を呼び、悪意と悪意が相乗効果で事態を悪い方へ進ませて、
まさに悲劇のジェットコースター、なし崩しに堕ちて堕ちて、
そしてその先にあるものは・・・?




自分がトシ取ったせいか、読み返すとそれほど怖くはなかったです。
読者としては。
登場人物の立場に置かれたらたまったもんじゃないけど。
そんで面白かったです。先が気になって気になって一気に読んだ。
初めての印象があんだけ怖かったのに、この本が気になってた理由は、
やはり荒野(ムア)などの自然描写でしょう。
1800年前後イギリスの田舎の荒涼とした自然・・・荒れ狂う風・・・。
嵐が丘」というタイトルも効いてる。
タイトルを目にしただけで、あの荒野(ムア)にひきずりこまれる気がする。




本の解説を読むと、この作者は人づきあいがあまりなく、
親友もおらず結婚もせず、おそらく恋愛もせず、郷里からほとんど離れないまま、
29歳で出版した「嵐が丘」を唯一の小説作品として遺し、
30歳で亡くなったんだそうです。
そんな生活をしていた人が、どうやってこんな激しい愛憎物語を書けたんだろう・・・。
小さい村で目立たない人生を送ってきたにも関わらず、
人間の機微に精通していたミス・マープル(アガサ・クリスティの小説の登場人物)をふと思いだします。
そういえばこちらもイギリスだわ。






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