- 作者: 魯迅,藤井省三
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2009/04/09
- メディア: 文庫
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魯迅は確か教科書に載ってましたよね。読むのはそれ以来か。
革命などで大混乱している19世紀末〜20世紀初頭の中国を背景に、
底辺の人々や知識人層の姿を、冷静に喜劇的に描いてあります。
科挙に代表されるがんじがらめの旧制度の権威と、合理的な西洋の思想が混在する時代・・・。
魯迅はうまく欧米化した日本に留学もしています。
「藤野先生」というエッセイには当時の日本の良い部分イヤな部分書いてあって面白い。
「故郷」「孔乙己」など短編のまとまりはさすが。
「阿Q正伝」はどうしても阿Qに苛立つ・・・。
しかし魯迅は阿Qに国民性の問題点を凝縮したそうだから、苛立つのが当然か。
「狂人日記」はまわりの人間が自分を食おうとしているとおびえる男の話ですが、
他の作品にも人間の心臓を食べるなどのくだりがあり、
なぜこんなに言及が多いのか・・・?
日本ではこれほど食人が言及されやすくない気がするのだけど。
尻切れとんぼの感があり、続きを読んでみたかった一作。
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