その日暮らし

精神的その日暮らし

魔法の夜

暑い夏の夜、コネチカット州の町。
夜の中をいろいろなものたちが動きだす。
14歳の少女、39歳の頭でっかちなニート男、無法者の少女たち、若い男たち、
そしてミルハウザーらしく、人形たちやショーウインドウのマネキンまで・・・?
真夜中を彼らはさまよい、語り、時にすれ違う。



すでに邦訳されていたのに知らなかった、スティーヴン・ミルハウザーの作品。
ミルハウザーらしい要素がたっぷりで、訳者あとがきにもある通り、
「入門」にちょうどいいだろう。



アメリカのそれほど大きくない町(たぶん)の、夜の静寂の描写がすてき。
彼らは何かを求めている。
それは得られるものかもしれないし、得られないものかもしれない。
後者の方がずっと多いだろう。
こんなふうに夜の町をさまよってみたいと思う人は、
私以外にもたくさんいるだろうけど、
現実を考えたら安全面など厳しいわけで、
だから私たちは物語の中で、まぶしい月が照らす夜をさまよう。






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