妹が子どもたちを連れて帰省してきたので、実家に遊びに行きました。
実家には他の親戚も来て、人が大勢。
祖母は椅子に座り、人の多さにとまどいながらニコニコしていました。
本当は、2歳のひ孫(私から見たら甥っ子)と遊びたい。
だけどひ孫は、祖母の目の前に座っているものの、自分の遊びに夢中で祖母に背を向けたっきりです。
他の人も、子どもの相手やお喋りに夢中で、
祖母はひとりぽっちになってました。
誰かに相手してほしいのに・・・退屈・・・。
ふと、何を思ったのか、祖母、
足元に置いてあったレゴの箱から、レゴの樹木を取り出し、ひ孫の頭に載せました。
椅子に座る祖母の足元、床にべったり座るひ孫。
目の前でゆらゆら揺れる小さな頭と、柔らかい髪の毛。
可愛らしくてたまらなかったのでしょう。
だから何かしたくなったのでしょう。
ゆらゆら揺れる頭に、祖母はレゴの樹木を載せ・・・もちろんそれはすぐに落ちました。
ひ孫は気付かず遊びに夢中。
離れたところから「ばあちゃん何してるんだ?」と見守る私たち。
レゴの樹木が落ちて、祖母は少し残念そうでした。
しかしすぐに、足元にたくさん散らばっているペットボトルのフタに気が付きました。
それは、ひ孫のおもちゃとなっているもので、
少し前にひ孫が床にぶちまけたのです。
祖母、ゆっくりとペットボトルのフタをひとつ拾い、
目の前でゆらゆら揺れる頭に載せました。
もちろんすぐに落ちる。
「あらあら・・・」
祖母、またフタを拾い、ゆらゆら揺れる頭に載せます。すぐに落ちます。
「まあまあ・・・」
祖母、またフタを拾い、ゆらゆら揺れる頭に載せます。
何かヘンなものが触ったと、頭をはたいてフタを落とすひ孫。
しかしすぐに遊びに夢中になり、振り返りもしません。
祖母、またフタを拾い、ゆらゆら揺れる頭に載せます。
あっ、ちょっとの間、フタが載りました。
私「って、ばあちゃん、何ひ孫で遊んでんの!?」
それは明らかに“ひ孫をあやす”行為ではなく、
“ひ孫の頭にフタをうまく載せるゲーム”でした。
“ひ孫と遊ぶ”ではなく“ひ孫で遊ぶ”です。
ばあちゃん、そんな境地に至ったのか・・・。
離れたところでゲラゲラ笑う私たちに気付かないまま、
祖母、またフタを拾い、ゆらゆら揺れる頭に載せます。すぐに落ちます。
「難しいわね・・・」
いやいや、難しいわね・・・じゃないから!
祖母、またフタを拾い、ゆらゆら揺れる頭に載せます。すぐに落ちます。
「あらあら・・・」
フタはたくさんあります。
祖母、またフタを拾い、ゆらゆら揺れる頭に載せます。ひ孫がはたきます。
「まあまあ・・・」
うん。分かるよ、ばあちゃん。
あの小さな頭に、柔らかい髪の毛。
何かしたくなる気持ちは、よく分かる。
でもだからって、ペットボトルのフタを次々と載せるかね・・・。
結局、ひ孫は自分が何をされているか気付かないまま。
私たちは離れたところで涙を流して笑い転げたまま。
フタはうまく載らないまま、祖母のゲームは終わったのでした。
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