その日暮らし

精神的その日暮らし

羊と鋼の森

羊と鋼の森 (文春文庫)

羊と鋼の森 (文春文庫)

高校生の外村はある日、ピアノの調律と運命的な出会いをした。
やがて彼は調律師となり、先輩たちやお客さんたちに叱咤激励されながら、
美しい音を求めて、羊と鋼の深い森をさまよい始める。
時に苦しみもがき、時に感動に震えながら・・・。



ただいま映画化されて話題になってる小説ですね。
“音”の世界をいったいどうやって文章に表すのか?
そこが気になって読んでみました。
なるほどねえ〜。
見事に音が、音の美しさが、響きが、言葉を媒介にして伝わってくる。
まったく知らなかった調律の世界のアレコレが学べる点も面白いです。
タイトルが上手い。
タイトルで読者の心のかなりの割合をつかんでるんじゃなかろうか。
なんとなく、全体的に“キレイ”すぎたのが、個人的にはあまり好みじゃないけど、
好きな人はとても好きになる小説だろう。





実家のピアノを見に来た調律師さんが、
(この本を読んだ)母が何か尋ねる前から、
この本(というか映画)の話を振ってきたそうで、
あー、きっとどこに行っても同じ質問をされてるんだろうなーと思いました。
今まで調律なんて興味なかったけど、
今度、義母のグランドピアノを見に来られたら、見学させてもらおうっと。






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人物・日本史記

『人物・日本史記陳舜臣・著



日本史上の人物から、文化と関わりの深い12人を選び、
一人一人丁寧に掘り下げた短編集。
山上憶良坂上田村麻呂山田長政司馬江漢まで、
よく知られた人から、
名前は聞いたことあるけど何したんだっけ?な人まで、
様々に取り上げている点が面白い。
シルクロードに関心があるので大谷探検隊の名は知っていたけど、
どういうものかは知らなかった。
大谷光瑞とはこういう来歴の人物だったのだと初めて知りました。
筆者自身の複雑な立ち位置
(神戸で生まれ育った中国人。昭和前半は愉快な扱いは受けなかっただろう)
がまた、日本という国の歴史について、
独特の視点を生み出すのでしょうね。






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忘れられた巨人

またまた流行りに乗ってみました。



時は6〜7世紀、かのアーサー王亡き後のブリテン島(現代のイギリス)。
貧しくつつましく生きていた老夫婦は、人々がすぐ記憶をなくしていくのを怪しみ、
遠くにいる息子に会うため旅に出る。
長い旅の末、彼らが知り、思い出し、そしてたどり着いたところとは?



ファンタジー小説というより伝説・伝承の匂いが強い不思議なストーリーと語り口でした。
現実味が薄くて寓意的というか。
この世界観にどっぷりつかるのも、悪くない心持ちでしたが、
どこに重点を置いて読めばいいのか分からず、小説としては入りこみにくく、じゃっかん物足りない気も。
ヨーロッパの古代中世、もしくは神話伝説が好きな人(私だ)にはオススメ。






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アルゼンチンまでもぐりたい

世界的に有名なピアニストのエッセイ集。
まだ日本が戦後をひきずり、良いホールやピアノとは縁遠い時代に、
若くしてデビューした方だそうです。
ピアニストの裏話や、コンクールの審査員としての裏話も面白いし、
90年代始めに書かれたものなので、
当時の世相やそれ以前の世相が映しこまれていて興味深い。
ただ、世界的な有名人や政治家の名前がバンバン出てきて、
私はこんなスゴイ人たちと仲良しなんですよ〜というセレブ自慢的な匂いが、
少し鼻についたのが残念かな・・・。
読み手の受け取り様かもしれませんが。
クラシック音楽が好きな方にはオススメ。






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アフリカにょろり旅

筆者は東大海洋研究所に所属する研究者。
この中にある塚本教授率いる「ウナギグループ」は、
ウナギの研究で世界的に知られているそうである。
そういえばテレビで、ウナギの産卵場所について大きな発見があったと見たことがあるけど、
この方たちの成果だったのだろうか。
筆者たちは世界中のウナギを集めることにしたのだけど、
ラビアータという種類だけがどうしても手に入らない。
そこで筆者たちはラビアータを求めてアフリカに飛んだ。
主にマラウイモザンビークを舞台に、
ウナギをめぐる冒険の悲喜こもごもを、ユーモアあふれる旅日記にまとめたのが、この本。



アフリカで彼らが直面したのは、灼熱の気候、過酷な衛生環境、最貧の貧しさ。
温暖な気候と清潔な環境で無菌培養された日本人は、ひとたまりもない世界です。
いやー・・・もー・・・この衛生環境、絶対ムリ・・・。
しかし途上国慣れしている筆者たちは、たくましく動き回り、ウナギを血眼で探します。
時には危険な目にも遭う。
野良象につぶされる村。
一瞬で子どもを連れ去り湖の底に消えるワニ。
キラキラ光る湖で遊ぶ子どもたちを見ていると羨ましいけれど、
湖の水には、
「毛穴から侵入して肝臓や脳を冒す目には見えない「住血吸虫」が潜んでいる」(本文より)
ので絶対入ってはいけない、のだそうだ。
そんな虫がいるのか・・・恐ろしい・・・。
しかし昔は日本にもいたそうですよ。ひえー・・・。
他に治安や、マラリアなどの病気にも注意しなければなりません。
安全な飲み水の確保もとても大切。とにかく暑いんだから。
過酷だ、アフリカ・・・。
無菌室のような日本で、こういう旅日記をゆっくり読むのなら楽しいのだけど。






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