その日暮らし

精神的その日暮らし

心のサーフィン

少し前に、実家に泊まった時のこと。
通常、2階の西の端の、普段使っていない部屋を寝室としてあてがわれるのだが、
母がぼそりとこう言った。



変な声が聞こえるかもしれないけど、気にしないでね・・・」



おおおおおいっ!変な声ってなんだよーーー!?怖いわ!!



「・・・弟が歌う声のことでしょ?(よく夜中に一人で鼻歌を歌っている)」
「ううん、違う」



オイオイなんなのよー怖いよー。



・・・そして夜、11時を過ぎてから、私は西の部屋に行き、一人ふとんにもぐった。
目を閉じて、眠りが訪れるのを待っていると、ふと、どこからか声が聞こえてきた・・・!!
そう、隣家の高校生男子が、お風呂で陶酔&熱唱しまくる声が・・・。



イタい!イタすぎるよ高校生男子!!



田舎なので隣家までは距離がある。
にも関わらず、まるで窓のすぐ外で歌っているかのように、高校生の歌声は大ボリューム。
冬だから、向こうも窓を閉めてるだろう、こちらだって閉めている。
にも関わらず、高校生の歌声は耳元で鳴り響く。
彼は完全にマイワールドに浸りきっていた。
オレかっこいい、オレイケてる、オレ歌うまい、オレサイコー
と思ってるのが、ノリノリの歌いっぷりから、ひしひしと感じられる。
お風呂だから誰にも聞かれないと思って、身体を裸にすると共に心も裸にしてオレの素晴らしさに酔っているのだろう。
もし、隣家の人間が「イタい奴・・・」と思いながら迷惑がっていると知ったら、
彼はひきこもっちゃうんじゃなかろうか・・・と案じられるほどの、心の開放ぶり。
それにしてもうるさい。
そして、長い。
20〜30分は歌ってたんじゃなかろうか。
その間、あまりにうるさくて・・・そして笑いがこみあげて仕方ないために、こちらは眠れない。
まったく・・・10代というのはイタいものだけど、君はそれを立派に牽引しているよ。



それから少し後のこと。
妹と一緒に、西の部屋に泊まることになった。
妹とふとんを並べ、おやすみーと電気を消して眠りを待っていると・・・
案の定始まった、リサイタル。
脳内に響きまくる大ボリューム。そして笑いこみあげるイタさ
眠ろうとしていたのに、私も妹も目が冴えてしまった。



私「・・・・・」
妹「・・・・・」
私「うるさいじゃろ」
妹「うん・・・」
私「恥ずかしい奴よねえ」
妹「あっ」
私「なに?」
妹「誰の歌を歌ってるのか、分かった」
私「まじで?姉ちゃん全然知らんのんよ。知りたいわ」
妹「湘南乃風・・・
私「聞いたことはある」
妹「さっきからそればっかり歌ってる」
私「好きなんじゃね・・・」



実家に住んでる家族は、歌声の聞こえない部屋で普段寝起きしてるので、実害はないからいいですけど。
田舎の人間は、隣家が遠いという油断から、うっかり騒音を出してしまいがち。
民家と田畑と山しかない田舎の夜は、静寂に包まれるので、意外と騒音は遠くまで響いてしまうのだ。



さらにそれから少し後のこと。
眠っていて、ふと目が覚めたら、彼の歌が聞こえていた。
時計を見ると、夜の1時すぎ。
あほー。こんな時間に歌うなやー。うるさいんじゃー。
悪態をつきつつも、オレワールドに陶酔する若気のいたりな彼に、
辛い恋とか挫折とか、これからが大変だぜ頑張れ若者、とついエールを送ってしまったり。






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