さあ、あなたの暮らしぶりを話して

さあ、あなたの暮らしぶりを話して クリスティ-のオリエント発掘旅行記 （ハヤカワ文庫） [ アガサ・クリスティ ]

二人目の夫が考古学者だったため、
アガサ･クリスティーは結婚後、しばしば、中東での遺跡発掘に参加するようになりました。
中東に何ヶ月も滞在して、遺跡発掘だなんて！
興味を持つ人々は、疑問をぶつけてきます。
そこではどんな風に暮らしてるの？と・・・。
その疑問にユーモアたっぷりに答えたのが、この本なんだそうです。
1930年代。場所はシリア。
個性あふれる調査隊のメンバーたち。
現地で雇ったアラブ人やアルメニア人たちの、想像を超える言動の数々。
大量の鼠に襲われ、壁をびっしりゴ×××然とした生物で覆われた寝室・・・
いかに円滑に発掘を進めるか。
煩雑な行政手続き、らちの明かない金融手続き、予想もしないトラブルまたトラブル。
アラブ人女性とクルド人女性の違いについて。
現地の人々の人生観、死生観。
などなど、盛りだくさんな内容です。
大変面白く読みました。



なお、タイトルの『さあ、あなたの暮らしぶりを話して』は、
クリスティーが中東での暮らしについて受けた質問であると同時に、
「考古学が＜過去＞にたいして問いかける質問」(本文より）
でもあるんだそうです。
わずかに掘り出されたかけらに対し、考古学者は問いかけます。
あなたたちは一体どんな風に暮らしていたの？と・・・。






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