凶笑面

凶笑面―蓮丈那智フィールドファイル〈1〉 (新潮文庫)

美貌の民俗学者（女）が、フィールドワーク先で事件に遭遇する。
民俗学的な謎と、事件の謎、双方をリンクさせて、怜悧な頭脳が解き明かす！



ん。というわけでちょっと難しかった。
でも民俗学の一端が覗けたのは面白かったです。
民俗学って、民話とかを細々調べてるイメージが一般的にある気がするけど、
それはごく一部の面に過ぎないんですねえ。奥が深すぎて怖いわ。
自分の深層心理を覗きすぎるとヤバいような感じに、似てるのかな。



謎解きの一部に、民俗学の知識が入ってくるので、
状況やヒントを全て明示した上で推理をする、
ゲームのようなミステリが好きな人には、物足りないのではとも思う。
（例えばアガサ･クリスティーは、その作品だけで完結する。他の知識は基本的にいらない）
でもこれはあくまで個人の好み。
自分の知らなかった民俗学の知識が明かされ、あっそうだったのかと、
知的好奇心を刺激されるのが快い人も多数いるわけで。
どっちが好みかは、人それぞれ。



作者が山口県出身のせいか、やたら中国地方が出てくるのがええですわ。



なお、作者は先月、40代の若さで亡くなられました。






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