その日暮らし

精神的その日暮らし

街道をゆく 閩のみち

閩(びん)というのは、中国は福建省のこと。
南東部、海沿いにあります。
この巻も、大いに勉強になりました。
印象に残った話を幾つか。
日本は遣唐使で唐の文明を摂取したが、9世紀末に遣唐使を廃止した後、
平安文化が醸成されると共に、唐の文化は強烈に残された。
本場の中国で、次々と王朝ができては滅び、唐の記憶が薄れていったことを考えると、
唐の文化を温存させた日本人はむしろ、「唐の文化的な子孫である」という話。
へええ〜。そういう見方があるんか〜。
それから、中国の話し言葉と書き言葉(漢文)の話。
長い長い年月の間変化しなかった漢文と、中国歴史に関わりについて。
ほおおお。歴史を知るのにまた別の視点が得られますな〜。
あと、ヨーロッパでいわゆる大航海時代が興るよりずうっと以前から、
中国・インド・イスラム世界では、大規模な航海をしまくっていたという話。
むしろこっちのが大航海時代じゃね?みたいな。
ふうむ。学校で習う世界史って、一面的なんですなあ。



この巻は、ちょっと専門的な話が多く、むつかしめであったように思います。
面白かったけども。



ところで、福建省の方言における漢字の発音と、日本語の漢字の発音は似ているのだそうです。
中国語には共通語と方言があります。
農村から都会に出稼ぎに来た人たちは、方言では通じないので、共通語でお互い話します。
方言の中でも、福建省の言葉はかなり変わっているらしい。
昔、中国人の女性たちに、方言を聞かせてもらったことがあるのですが、
他の省の皆さんは、わりと似通ってるのに、福建省の人の発音は全然違っていた。
中国人女性たちもクスクス笑ってたので、彼女らにとっても異質に聞こえるのでしょう。
でもその、全然違ってた福建省の漢字の発音が、実は日本語の漢字の発音と似ているとのこと。
へー。そうなのか。もう一度彼女の方言を聞いてみたいものです。
(もう会う機会は無いのが残念・・・)






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