その日暮らし

精神的その日暮らし

吾輩ハ猫ニナル

吾輩ハ猫ニナル

吾輩ハ猫ニナル

あくたがわ賞にノミネートされた小説です。
日本人の父と中国人の母を持つ青年の目線で描く、現代中国と日本の風景、とでも言えばいいのかな。
正直、これが新人賞を取るというのがよく分かりません。
主人公は、日本語を混乱させるカタカナを憎んでいるので、
漢字部分は中国語で、ひらがな部分は日本語で、この小説は展開します。
漢字はルビが振ってあるから、もちろん没問題(問題ない)。
私のような中国語学習者には、なかなか楽しく読めました。
知らない中国語を見ては「へえー」とうなり、覚えたばかりの単語を見ては「知ってるぞ」と喜んだり。
だけど、それ以外の人には面白いのかなあ?
ストーリーらしいストーリーはないし、最後の方はよく分からないし。
カタカナが欧米の言葉と日本語の融合であるのならば、
中国語と日本語を融合するとこうなるよという、言葉の実験的な小説なんでしょうか。
そういうのが新人賞を取るのか・・・。よく分からない。
99ページの注を見る限りでは、漢字で遊べということなんでしょうか。
とにかく多種多様な言葉を、できるだけたくさん収集しようとした努力はよく分かりました。
簡単そうで難しかったろうと思う。




中国語を学んでいると、日本語のカタカナがいかに方便(便利)なものか痛感します。
外来語を、ただ“音”に合わせてなぞるだけでいいから。
中国語には漢字しかないので、外来語に漢字を当てはめて表します。
その際、“音”も“(なんとなくの)意味”も両方意識しているようで、
よくぞここまでぴったり当てたものだ、芸術的だと思える言葉もあります。
ドラえもん」=「機器猫」のように“意味”だけで当てたものもあるけど。
私がすごいと思ったのは「ミニスカート」。
文字化けするだろうから漢字は書きませんが、3文字で、
最初は「迷」。「ミー」と読んで、迷わす・うつつを抜かすという意味。
次は「ニー」。あなた、という意味。英語で言うと「you」。
最後は「ツン」。スカートの意味。
“音”だと「ミーニーツン」で「ミーニー」の部分しか合いませんが、
“意味”は「あなたを迷わすスカート」。
あなたを迷わすスカート!!なるほど!確かにミニスカートだ!!



こういう中国語の言葉遊びが好きな人には面白いだろうけど、
普通に小説としてはどうなんだろうなあ?






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