- 作者: 司馬遼太郎
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2008/09/05
- メディア: 文庫
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期待しながら読みました。
ソ連経由でモンゴルに行かれたので、最初の方はソ連についてページが割かれてます。
この交通事情とお役所事情・・・ひぃぃ・・・大変だったんだな・・・。
ウランバートルから南ゴビへ飛び、大草原の中の包に泊まったりしてます。
包での体験のくだりは、実に面白かった。
すさまじい星空の描写とか・・・これって実際自分の目で見なければ、テレビなんかでは分からないのだろうなあ。
モンゴル人は故郷を激しく恋い慕い、詩人はそれを詩に詠むんだそうですが、
「日本の場合、『万葉』や『古今』『新古今』のころのように詩が日常のなかにあった時代でさえ、故郷を主題にする作品がそれほど多くはない」(本文より)
興味深いテーマが隠されてそうです。
最後に、なるほど〜と思った一節を。
「ウランバートルの恋人たちはどこで逢引をするのか、ときいてみたところ、私の話し相手は(中略)馬さえあればどこでも行けるじゃないか、といった。なるほど、ウランバートルの市街を出れば、満目、涯しもなくつづく無人の草原なのである」(本文より)
狭い島国の人間には、どうにも実感しづらいね。