穴

穴

言うまでもなく、先日、あくたがわ賞を取った小説です。
今回のあくたがわなおきは地味だったせいか、マスコミでほとんど取り上げられてない気がするけど、
広島では（あくたがわだけ）大フィーバー中。
だもんで最初は、どこの本屋も軒並み売り切れじゃった。
図書館の予約待ちの列が長いので、本屋の入荷を待って、つい買うてしもうた。



あらすじは、皆さん知ってらっしゃるでしょうから書きません。
まずなにより言いたいことは、
マツダは作者に、広告料を支払うべきなんじゃないかと！！
だってまあ、社名といい車名といい、ストレートに出てくるんですもん。
あくたがわ取ったことで、多くの人がこの作品を読む。
その全員が、マツダの社名と車名を否応なく目にすることになる。
ええCMになりまっせ。デミオでも贈呈したら？




それはともかく。
「工場」より小説としてこなれてきたように感じました。
不思議なストーリーも面白かったし、空気感も良かった。
広島（と思われる土地）の県境の過疎地で、夫実家の隣に住む専業主婦という設定が、
そこから来る主人公の煩悶が、
自分のことを書かれているようで、感情移入してちょっと憂鬱に。



他に収録されている「いたちなく」「ゆきの宿」は、
「工場」に収録されている「ディスカス忌」の続編ぽいものです（ディスカス忌未読でも問題なし）
２作とも、描写力に優れていて、田舎の（私にとって身近な）生活の感じがひしひし伝わります。
ただ「ゆきの宿」はちょっとパワー不足かな。



これからが大変だと思うけど、頑張ってくださ〜い。

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