その日暮らし

精神的その日暮らし

緑の家

緑の家(上) (岩波文庫)

緑の家(上) (岩波文庫)

緑の家(下) (岩波文庫)

緑の家(下) (岩波文庫)

「穴」であくたがわを取ったおやまださんが、
新聞インタビューで言及してたので読んでみました。
作者は2010年にノーベル文学賞をもらってます。ペルーの小説家です。
面白かったわあ。小説の醍醐味ですね。難解だけど・・・。



普段本を読まない人には薦めてはいけない小説です。
最初の方で放りだすと思う。
時間と場所があちこち飛んで、今読んでるのがどこの時点の話なのかさっぱり分からない。
登場人物は多くて覚えきれないのみならず、
ほとんど説明もなしに新しい人がどんどん出てくるので、
何がなんだかぐっちゃぐちゃ。
さらに、一連の文章の中で、
時間も空間も人物も異なる二つの会話が、2〜3行ごとに交互に現れる箇所まであり・・・。
訳が分からなくなります。
でもねー、慣れてくると、この混ざった会話の良さが分かってきます。
決して適当に並べてるんじゃないのです。
読み手を心地よくあざむくために、よくよく注意を払って並べられてるのです。
後半になると、時系列や登場人物が読み手の中で整理されてきて、
彼らがこれからどうなるのか、まだ語られていない過去の中でどうなったのか、
集中して読んでいくことになるでしょう。



不衛生な状況を描いてるはずなのに、さほど嫌悪感も抱かず読めるのは、
筆致が乾いているからかなと思いました。
同じく南米(コロンビア)のノーベル賞作家ガルシア=マルケスを連想します。
ペルーというと、山間部のイメージが強いですが、
この作品は海沿いの砂漠の中の町や、ブラジル側の密林などが舞台です。
そうか、そういう場所も、そりゃああるよね。
充実して読ませて頂きました。







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