- 作者: 内田百けん
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/11/20
- メディア: 文庫
- 購入: 4人 クリック: 21回
- この商品を含むブログ (46件) を見る
「けん」の字は、もんがまえに「月」です。文字化けしたので平仮名で。
こんな漢字があるんだねえ。
私はこれを「聞」と間違え、図書館カウンターで、
「うちだひゃくもん、の『阿房列車』を探してるのですが見つかりません」と言っちゃいました。
(職員は訂正することもなく、正しく検索してくれました)
この本には短編・掌編・随筆がたくさん収録されています。
初めて読んだのですが、短編・掌編のすごさに目を見張りました。
100年近く前に書かれたものとは思えない、
薄暗く鈍い色の、けれど鋭い光を放つ、奇妙な物語の数々。
内容の暗さに気が滅入ってくるにも関わらず、クセになりそうな感じ。
「件」がとても印象的だったなあ。
「水鳥」も気に入った。
「東京日記」も良かったです。特に丸ビルの話。
途中から随筆になります。
随筆は小説と一変して、ひょうひょうとした語り口になります。
身辺のこと、知り合いのこと、子どもの頃のこと、鉄道もの(「阿房列車」)、そして借金もの。
借金ものはヒドイ。ツッコミどころ満載です。
前半の暗い小説を書いたのと同一人物とは思えません。
笑いつつも、奥さんは本当にかわいそうだと・・・。
岡山の出身で、結構有名な作家らしいけど、私は最近になって知りました。
乱読って必要だ。
↓↓↓「広島ブログ」参加してます。一日一クリックお願いしま〜す(*´∀`)ノ