その日暮らし

精神的その日暮らし

内田 百けん

内田百けん (ちくま日本文学 1)

内田百けん (ちくま日本文学 1)

作者の名前は「うちだひゃっけん」。
「けん」の字は、もんがまえに「月」です。文字化けしたので平仮名で。
こんな漢字があるんだねえ。
私はこれを「聞」と間違え、図書館カウンターで、
「うちだひゃくもん、の『阿房列車』を探してるのですが見つかりません」と言っちゃいました。
(職員は訂正することもなく、正しく検索してくれました)



この本には短編・掌編・随筆がたくさん収録されています。
初めて読んだのですが、短編・掌編のすごさに目を見張りました。
100年近く前に書かれたものとは思えない、
薄暗く鈍い色の、けれど鋭い光を放つ、奇妙な物語の数々。
内容の暗さに気が滅入ってくるにも関わらず、クセになりそうな感じ。
「件」がとても印象的だったなあ。
「水鳥」も気に入った。
「東京日記」も良かったです。特に丸ビルの話。
途中から随筆になります。
随筆は小説と一変して、ひょうひょうとした語り口になります。
身辺のこと、知り合いのこと、子どもの頃のこと、鉄道もの(「阿房列車」)、そして借金もの。
借金ものはヒドイ。ツッコミどころ満載です。
前半の暗い小説を書いたのと同一人物とは思えません。
笑いつつも、奥さんは本当にかわいそうだと・・・。



岡山の出身で、結構有名な作家らしいけど、私は最近になって知りました。
乱読って必要だ。






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