その日暮らし

精神的その日暮らし

十三の物語

スティーヴン・ミルハウザーの最新作。
邦訳が、最新作ということですが。
13の作品が収められた短編集で、
全体が4つのセクションに分かれ、それぞれ、
「オープニング漫画」「消滅芸」「ありえない建築」「異端の歴史」と、
ファンにはおなじみ、
ミルハウザーの十八番テーマがずらりと並んでます。



冒頭の「猫と鼠」は、『トムとジェリー』を深く思索的に掘り下げた不思議な作品。
あのドタバタアニメとは思えない雰囲気だけど、
実際のところ、トムもジェリーも、
深層心理でこう考えていてもおかしくないかも?なんて思ってしまう。



個人的には「ありえない建築」の作品たちが好きだな。
中でも、小さい方へより小さい方へと進む「ハラド四世の治世に」よりも、
大きい方へより大きい方へと進む「塔」や、
ありえそうで、よく考えたら絶対ありえない「ザ・ドーム」「もうひとつの町」が好き。
女性のファッションの変遷を描いた「流行の変化」や、
ミステリーちっくな「イレーン・コールマンの失踪」も面白かった。



ミルハウザー読み始めたばかりの頃、
どう考えてもありそうにない建築や発明品が、
あまりにリアルに、歴史に基づいたかのように描かれているため、
アメリカにはこんなものが昔存在したのか、すごいなあ、
と半ば信じていたものですが、
今になって分かる。
ミルハウザーの芸に、まんまと引っかかっていたのであると。






↓↓↓「広島ブログ」参加してます。一日一クリックお願いしま〜す(*´∀`)
広島ブログ

キジも鳴かずば

ある日の夕方、窓を閉めようとしてふと見ると、
物干し竿の下に、何か大きめのものが落ちている。
なんとなく悪い予感がした。
小鳥の死骸か?
時々、ガラス窓に気づかず猛スピードでぶつかって、
死んでしまう小鳥がいるのだ。
(とても困ります)
しかし、小鳥にしては形がおかしい。
なんとなく血のようなものも見えるので、
ちょうど在宅だった相方を呼んで、見てもらいました。



相方「キジの頭だな」



私「キジ!の、頭、だけ!?うえー・・・」



相方がホウキではくと、カラカラッと音を立てて頭は転がります。
近くに転がってきたので、おそるおそる見ました。
確かに頭でした。
虚ろな目と、虚ろに開いたくちばし。
相方はホウキでカラカラッと外へ出し、田んぼの土に還しました。
それにしても、なぜ、頭だけ・・・。
相方は、カラスが落としていったのではないかと言います。
あれだけ乾いてるということは、一体いつからあったのだろう。



5月頃の早朝、物干し竿のすぐ近くで、
キジが死んでたことがありました。
少し食われた跡があったらしく、小動物に襲われて逃げて力尽きたのか・・・。
大きな体がまるまる倒れていて、どう始末すればいいのか、
本当に困りました。
大きいからホウキでははけないし。
埋めるほど大きな穴を掘るのは難しいし。
そもそも野鳥はどんな菌など持ってるか分からないから、
不用意に触ってはいけない。
ただでさえ不衛生なのに、暑い日だったから、
相方が帰宅する夜まで待ってたら、
腐ったり、
小動物やカラスに食い散らかされたりして、絶対やばいことになるし。
義母は自分は関係ないわ〜とすぐに逃げちゃうし(ひどい)。
ほとほと困り果てたのですが、
結局、私の機転でうまいこと始末できました。
(自分を褒めたい)



なぜまたキジなのか。
そして今までこんなことなかったのに、なぜ立て続けなのか。
できれば死骸はお目にかかりたくないですが、
お目にかかるならせめて、私が処理できる範囲内であってほしいものです。






↓↓↓「広島ブログ」参加してます。一日一クリックお願いしま〜す(*´∀`)
広島ブログ

星の民のクリスマス

星の民のクリスマス

星の民のクリスマス

ある歴史小説家が、4歳の娘のために、他愛ないお話を書いてプレゼントした。
父親の方はその物語をほとんど忘れていたが、
娘が10歳になる頃には、その物語は娘の一部となっていた。
そしてある夜、娘は失踪した。
父親の書いた物語の中へと・・・。



なんとなく気になって手に取ったら、
2013年日本ファンタジーノベル大賞受賞作だったので、
即決で読むことに決定。
以前、同賞の大賞と優秀賞作品を読み漁った時期があるので懐かしい。
ファンタジーノベルといっても、フワフワした剣と魔法の世界でなく、
殺伐、時に陰惨なのがこの賞の特徴。
森見登美彦太陽の塔」のようにスパーンと明るいものもあるけど)
この小説も、導入部こそ4歳の娘に書かれたほんわか童話なのに、
すぐに殺伐としてきて、どす黒い人間心理が出てくる。
いやいやでも面白かった。
この作りこんだ世界観はすばらしい。
さすが大賞を取っただけのことはある。






↓↓↓「広島ブログ」参加してます。一日一クリックお願いしま〜す(*´∀`)
広島ブログ

ひ孫との距離

妹の息子3歳。
少し前までは、曾祖母(私から見たら祖母)がお気に入りで、
曾祖母の部屋で並んでじっと絵本を読んでたりしてたのに、
今回帰省してきた際、苦手になってしまった。
だんだん成長して、いろいろ理解できるようになると、
曾祖母の言うことがおかしいと思ってきたようで・・・。
何度も何度も年齢を聞かれ、
これはおかしいと思ったらしい。
3分に一回は「年はいくつ?」って聞きそうだもんな、ばあちゃん・・・。
私が実家に行って「ひいばあちゃんの部屋に行こうよ」と誘ったら、
「こわい」と拒否された。
理解できない存在は、怖いか・・・。
年を取ったら仕方ないんだよ、と思えるほどは成長してないしなあ。
他の子も、曾祖母に違和感を抱いて、
距離を置くことがあったらしい。
難しいものですなあ。
まあ私も、小学生の頃、
97歳で亡くなるまで、少しの間同居していた曾祖母が、
得体の知れない感じでなんとなく怖かったなあ。
それに加えて、会話が成り立たないとなあ。
そして、騒々しかったひ孫たちが去ってしまった今、
曾祖母はすっかり彼らがいたことを忘れてしまっている・・・。
あんなに大騒ぎだったのにね。






↓↓↓「広島ブログ」参加してます。一日一クリックお願いしま〜す(*´∀`)
広島ブログ

真夏の夜の恐怖

数日前の夜中。
私はガタッという音で目が覚めました。
何の音だろう?
相方がトイレに行ったのか?
家の外で音が聞こえた気がしたけど・・・。
隣に目をやると、相方は寝ています。
と。
外をサクッ、サクッと歩く音が聞こえてきました。
暑いので寝室の窓を開けてるのですが、
そのすぐ外の庭を、サクッ、サクッ。
聞き間違えではない。明らかに“歩く音”です。
ぎくりとしました。
こんな真っ暗なのに、義母が外にいるわけがない。
(後から時計を確認したら3時でした)
犬もいない。
不審者以外、あり得ない。
やばい。
しかし、すぐ気を取り直しました。
幸い、私は完全に目が覚めている。
相手はまだ外にいる。
まだ何とかなる。
すぐに手を打とうと上半身を起こした時、
寝ている相方が腕を伸ばしてきて、私を抑えました。
「ちょっと、不審者がおるんじゃけ・・・」
言いかけたとたん、
ダダダッと駆ける音、
壁と屋根の間の隙間にむりやり入りこむバキバキッという音、
屋根裏を遠くへ走り去っていくダダダダーーーッという音が、
一瞬のうちに聞こえたのでした・・・。
不審者ではなかった。
不審な小動物であった。
最初のガタッという音は、庭から外へつながる小さい扉の下を、
むりやりくぐった音ではなかろうか。
ピーターラビットがマクレガーさんの木戸の下をくぐったように。
いやー、びっくりした。
いやー、怖かった。
小動物と分かってホッとした後でも、
あの“サクッ、サクッ”の音は耳から離れんわ。
怖かったもん。



6月頃には、壁と屋根の間の隙間にむりやり入るバキバキッという音で、
夜中に目が覚めたことがあります。
寝ぼけた状態で聞いたので、小動物だろうと思ったけど確信が持てず、
小動物だよ、大丈夫だよ、とめんどくさがる相方をむりやり起こし、
(だって一人で二階とか見に行くの怖い)
不審者がいないか、家中を見て回りました。
迷惑だよー正直ー。
あのバキバキッっていう音も、結構な音量なんだけど、
壁やら屋根やら大丈夫?
壊されてない?



でも、野生の小動物(イタチ?ハクビシン?)が歩く音なんて、
そうめったに聞けるものではないですよね。
貴重な音を聞けたとは思ってます。
迷惑だけど!!






↓↓↓「広島ブログ」参加してます。一日一クリックお願いしま〜す(*´∀`)
広島ブログ