- 作者: 古谷田奈月
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/11/22
- メディア: 単行本
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父親の方はその物語をほとんど忘れていたが、
娘が10歳になる頃には、その物語は娘の一部となっていた。
そしてある夜、娘は失踪した。
父親の書いた物語の中へと・・・。
なんとなく気になって手に取ったら、
2013年日本ファンタジーノベル大賞受賞作だったので、
即決で読むことに決定。
以前、同賞の大賞と優秀賞作品を読み漁った時期があるので懐かしい。
ファンタジーノベルといっても、フワフワした剣と魔法の世界でなく、
殺伐、時に陰惨なのがこの賞の特徴。
(森見登美彦「太陽の塔」のようにスパーンと明るいものもあるけど)
この小説も、導入部こそ4歳の娘に書かれたほんわか童話なのに、
すぐに殺伐としてきて、どす黒い人間心理が出てくる。
いやいやでも面白かった。
この作りこんだ世界観はすばらしい。
さすが大賞を取っただけのことはある。
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