その日暮らし

精神的その日暮らし

草の花

 

草の花 (新潮文庫)

草の花 (新潮文庫)

 

 

戦後すぐのサナトリウム
「私」の同室には、
病状が悪いにも関わらず、不思議な空気をまとう汐見という男がいた。
難しい手術を前に、汐見は「私」に2冊のノートを託す。
そのノートには、汐見の失われた愛と青春の日々が綴られていた・・・


「第一の手帳」には、同性の後輩に対する愛情と、
暗い影がまだなかった時代の、18歳の美しい日々が書かれていて、
もの悲しくも静かな気持ちで読めます。
「第二の手帳」には、いつ赤紙が来るかという不安にさいなまれながら、
一人の女性を愛する24歳の孤独が書かれていて、
戦争の影に背筋が冷たくなりつつ、
もっと自分や相手にきちんと向き合えよ!と、
汐見に対しもどかしい気持ちで悶々としながら読むことになります。
戦後すぐ、結核が死の病であった時代のサナトリウムの描写や、
戦争中の市井の人々の暮らしの描写が、
歴史資料として興味深い。

 


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マルセロ・イン・ザ・リアルワールド

マルセロ・イン・ザ・リアルワールド (STAMP BOOKS)

マルセロ・イン・ザ・リアルワールド (STAMP BOOKS)

発達障害を持つ17歳の少年・マルセロは、
望まないまま父親の法律事務所でひと夏働くことになる。
マルセロのあるがままを受け入れ、愛してくれる母や姉や聖職者。
なんとか“ふつう”の人になってほしいと、
マルセロのあるがままを受け入れられないが、息子を愛してはいる父。
法律事務所という“リアル”な世界で、
マルセロは様々な人と会う。
理解してくれる人。
馬鹿にする人。
利用しようとする人。
そして一枚の写真を見つけたことで、
マルセロは自分の信じる道を進み始める。



面白かったー。
マルセロはもちろん、あの人やあの人がどうなるのか。
ハラハラしながら一気に読みました。
発達障害のことはあまり知らないのだけど、
参考になるかもしれない。
マルセロの父・アルトゥーロのような人っているよね。
私の父もこのタイプ。
気持ちは分からんでもないが、子には重すぎてしんどい時がある。






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ヨーデル聞き放題

実家に泊まる時は、祖母の部屋の隣にある仏間で寝ます。
部屋の仕切りは、障子しかなく、
ほとんど同じ部屋のようなものです。
先日、その部屋で眠っていた時のこと。
夜中、草木も眠る丑三つ時。
どこかから奇妙な声が聞こえてきて、私は目が覚めました。
細々と・・・
調子外れに・・・
老人の声で・・・
ヨ〜ロレイヒ〜・・・ヨ〜ロレイヒ〜・・・
すわ怪談か!?と思いきや、
なんと祖母が歌っているのでした。



ベッドに横になったまま、ヨ〜ロレイヒ〜
おいおいおい!
夜中の2時過ぎだよ!
なんで元気に歌なんか歌ってんの!?
声は細々ですが、真夜中シーンとしているところでは、
まるで耳元で歌われているよう。
ヨ〜ロレイヒ〜・・・ヨ〜ロレイヒ〜・・・



祖母「あらあら・・・声が出なくなったわね」



出なくていいよォ!!



悩んだけれども、祖母を止めに行くのはやめることにしました。
祖母は耳が遠いから、
「歌うのやめてよ」
などと話しかけたところで、
「え?」「え?」の押し問答になるのは、仏壇のローソクの光より明らかです。
どうせ2、3曲も歌えば、力尽きるだろう。
じっと黙って耐えました。
やがて歌は終わったようで、私は眠りこみました。




午前3時・・・
「♪娘という娘はヨ〜ロレイヒ〜」



第2ラウンド!?嘘でしょ!?



がっくり・・・。
まじですか。今晩の私の眠り、いったいどうなるのよ。
耐えるしかない・・・耐えるしかない・・・



祖母「・・・なのよねえ・・・うん・・・」



誰かと話してるぅ!?



私に話しかけてるのではない。
私がここに寝ていることは、とっくに忘れているはずだから。
ということは、7年前に亡くなったじいちゃんか!?



「♪娘という娘はヨ〜ロレイヒ〜」



結局この夜は、祖母のせいで何回も目が覚めて、
睡眠不足で朝を迎えたのでした・・・。



なお、祖母が歌っていた歌は、
「山の人気者」という歌ではないかと思われます。
1934年の歌かあ。祖母10歳。
認知症になると、昔の記憶だけが残っていくらしい。
どこかで聞いたことある歌だと思ったら、
ヨーデル食べ放題」という替え歌があるそうですね。
映画「ウォーターボーイズ」で歌ってたアレか?





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マザリング・サンデー

マザリング・サンデー (新潮クレスト・ブックス)

マザリング・サンデー (新潮クレスト・ブックス)

マザリング・サンデーとは、お金持ちのお屋敷で働くメイドたちが、
年に一度、里帰りできる日。
孤児で帰る家のないメイドのジェーンは、
その日、秘密の恋人に会いに行く。
相手は近くのお屋敷のお坊ちゃん。
身分違いの恋とはいえ、長い付き合いなのだが、
お坊ちゃんは2週間後に、身分の釣り合ったお嬢さんと結婚することになっている。
そして1924年のマザリング・サンデーは、ジェーンの人生を大きく動かした。



前半は面白かった。
ジェーンの気持ちになって、
(身分相応に)偉そうだが魅力的なポール坊ちゃんにときめいてみたり、
彼と結婚する予定のお嬢さんに嫉妬してみたり、
寛大な雇い主にほっとしてみたり。
ジェーンの心理や情景描写が上手く、
3月なのにやたら暖かいその日の風が、頬に感じられるようだった。
なんだけど、後半になるにつれ、
どこに重心を置いて読めばいいのか分からなくなってきた。
激動のマザリング・サンデーその日がメインなのか。
その後のジェーンの人生がメインなのか。
どちらであっても、もう片方の比重が大きすぎるし、
どちらも描きたいなら、手直しが必要である。
せっかく面白い題材なのに・・・消化不良だった。






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94歳になりました

しばらくの間、原因不明で体調が悪かった祖母。
食欲もなく、常日頃から「食べられなくなったらおしまい」と皆で言ってるので、
これは本当に大丈夫か・・・?
と心配に。
もうすぐ敬老の日なので、
例年通り、お取り寄せのプレゼントの注文を検討していた私。
「注文して大丈夫かなあ?肝心の受け取り手が、もういなくなってるかもよ」
と言ったら、
相方に「なんてこと言うんだ!」と、こっぴどく叱られました。



まあこれも理由のないことではなく、
何年も前に、実家でない方の祖父が、敬老の日の直前に亡くなりまして、
亡くなった後に、親族が注文していた敬老プレゼントが届いたということがあったのでね。
それで何か問題があったわけではないけども。
ちなみにその後、祖母の体調は良くなりました。



最近の祖母の発言・その1
一緒にNHKニュースを見ていて。
祖母は耳が遠いので、声は聞き取れず、
テロップと字幕に頼ってます。
そんな中、懸命にテロップを追いながら、



「まあ・・・パワハラさんていう方がいらっしゃるのね」



・・・え?ばあちゃん、なんでそれ人名に変換した?



最近の祖母の発言・その2
カープ選手の写真を見ながら。
祖母、野村投手を指して、
「この人は、男前ねえ」



祖母、別の投手(名前は伏せます)を指して、
「この人は、そうじゃないわねえ。ウフフッ」



ウフフッて何、ウフフッて。
正直すぎるってザンコクだわ・・・。
祖母は、男性の顔の好みがわりとはっきりしていて、
俳優やアイドルについても、びしっと評価を下します。
どういう系統の顔が好みなのかは、よく分からない。






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