その日暮らし

精神的その日暮らし

草の花

 

草の花 (新潮文庫)

草の花 (新潮文庫)

 

 

戦後すぐのサナトリウム
「私」の同室には、
病状が悪いにも関わらず、不思議な空気をまとう汐見という男がいた。
難しい手術を前に、汐見は「私」に2冊のノートを託す。
そのノートには、汐見の失われた愛と青春の日々が綴られていた・・・


「第一の手帳」には、同性の後輩に対する愛情と、
暗い影がまだなかった時代の、18歳の美しい日々が書かれていて、
もの悲しくも静かな気持ちで読めます。
「第二の手帳」には、いつ赤紙が来るかという不安にさいなまれながら、
一人の女性を愛する24歳の孤独が書かれていて、
戦争の影に背筋が冷たくなりつつ、
もっと自分や相手にきちんと向き合えよ!と、
汐見に対しもどかしい気持ちで悶々としながら読むことになります。
戦後すぐ、結核が死の病であった時代のサナトリウムの描写や、
戦争中の市井の人々の暮らしの描写が、
歴史資料として興味深い。

 


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