- 作者: ドナ・W.クロス,阪田由美子
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2005/10/01
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女は男より劣ったものであると当然のように受け止められていた時代。
夫が妻を殴るのは当たり前で、女が教育を受けるなど恐ろしい罪だと考えられていた時代。
学ぶことに情熱を燃やす少女ヨハンナは、その賢さと勇気をもって、
女として進むべきではない人生に踏みこんでいく。
数々の苦難を経て、ついに彼女は最も高いところまで上りつめる・・・。
夢中で読みました!
ヨハンナの運命が、もう気になって気になって・・・。
教皇ヨハンナは伝説上の人物と思われていて、
今日のカトリック教会はその存在を否定しているそうです。
しかし、著者は実在したと考えていて、この小説を書いたそうです。
(実在の根拠は、読後にあとがき参照)
世界各国で話題を呼んで、特にドイツ(ヨハンナの生まれ故郷とされる)では大ベストセラーになった小説なんだとか。
だろうなあ。面白いもの。
最も印象的だったのは「女は生来、男に劣る」と言われた少女ヨハンナが反論するシーン。
ヨハンナを嫌う相手(大人の男)は3つの根拠を示します。
・アダムが最初につくられ、その後エバがつくられた。(起源)
・エバはアダムに伴侶として仕えるためにつくられた。(地位)
・エバは悪魔の誘惑に負けてリンゴを食べた。(意志)
聖書のこの部分はね、私も嫌だなあと思ってました。
このエピソードは明らかに「女は生来、男に劣る」と語っていて、
それ以外解釈の仕様がなく、見なかったふりをするしかないと思ってました。
ところが少女ヨハンナの反論がすごい。
彼女はこう述べて、女の方が男より優ると言ったのです。
・確かにエバは後からつくられたが、エバはアダムの肋骨からつくられたのに対し、アダムはただの泥からつくられた。(起源)
・エバは楽園の中でつくられたが、アダムは外でつくられた。(地位)
・エバは知識欲に駆られてリンゴを食べたが、アダムはただエバにそうするよう言われて食べただけ。(意志)
はあっ!そういう解釈があったのか!と。
特に3つ目は衝撃的。目からうろこ。
これを前提にすると、色々根本から変わってしまうよなあ・・・。
そんな感じで、なかなか刺激的でもある小説でした!
関係ないけど、下巻の表紙ちょっと目がコワイです(苦笑)
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