その日暮らし

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絶望名人カフカの人生論

絶望名人カフカの人生論 (新潮文庫)

絶望名人カフカの人生論 (新潮文庫)

ある日のこと、私はひどく落ちこみ絶望的な気持ちで町を歩いてました。
どこを歩いたかはっきり思いだせず、どこに向かっているのかよく分からない、
それくらい混乱してぼおっと歩いてました。
足は自然に本屋へ向きました。
ぼおっと棚を眺めていると、「絶望」という言葉が目に入りました。
同時に「カフカ」という言葉も。
カフカが好きな私は何気なく手に取りました。
それは今回紹介する本を、漫画化したものでした。
そこに書かれたカフカの絶望的な言葉を読み進めるうち・・・
私は気分が少し軽くなったのを感じました。
それで、漫画の元になったこの文庫本を買ったのです。



カフカとはもちろん、『変身』等のフランツ・カフカです。
カフカは何もかもに絶望していました。
自分、健康、親、結婚、仕事、食べること・・・
ありとあらゆるものに絶望していました。
そしてそれを日記や手紙に書きました。
なぜ絶望的な言葉ばかりなのに、読んでるとちょっぴり元気が出てくるのか?
編訳者は言います。
「心がつらいとき、まず必要なのは、その気持ちによりそってくれる言葉ではないでしょうか」
カフカの絶望の言葉を読んでいると「本当にそうだなあ」と思います。
「あんな偉大な作家もこんな風に考えていたのだなあ」と仲間を見つけた気持ちになれます。



が。



それだけではないから面白いのです。
まず、このカフカの言葉を読んでみてください。



「将来にむかって歩くことは、ぼくにはできません。
 将来にむかってつまずくこと、これはできます。
 いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです」




この言葉について編訳者のコメント「あまりにもネガティブで、かえって笑えてこないでしょうか」
そう。この絶望名言集、ツッコミどころ満載なのです。
いやいや、私はさすがにこれほどではないわ。
自分も絶望しているはずなのに、なんかちょっぴり浮上した感じになります。
ちなみに上の文章は恋人への手紙に書いたもの。
いやいや、恋人にこんなこと書いちゃだめでしょ。
この恋人とは2回婚約し、2回婚約破棄します。
ダメすぎです。
他にも54頁の、地下室で暮らしたい願望(これも恋人への手紙に書いた)など、
ダメすぎるもの満載で、
いやいや、私はさすがにこれほどではないわ。
読んでたら、ちょっぴり気分が軽くなります。
落ちこんでる人や、色々うまくいかない人にオススメ。




漫画版はこちら。
マンガで読む絶望名人カフカの人生論

マンガで読む絶望名人カフカの人生論







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