その日暮らし

精神的その日暮らし

【読書】だまされた女/すげかえられた首

 

だまされた女/すげかえられた首 (光文社古典新訳文庫)

だまされた女/すげかえられた首 (光文社古典新訳文庫)

  • 作者:トーマス マン
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/01/08
  • メディア: 文庫
 

 

中編小説を2作品収録。
 
「だまされた女」は50代の女性が主人公。
閉経したことで女性としての自信を失っていた彼女は、
20代前半の若さはちきれる男に恋をする。
抑えきれない彼女の思い。そして・・・?
 
これ、男性と女性では読み方が違うんじゃないかね。
女性である程度(ネタバレ規制)な人は展開の予想がつくと思う。
私はばっちり当たった。残念ながら。

閉経したから女性としても人間としても終わり、みたいな主人公の意見は、
私は断固受け入れられない。
知的な芸術家である主人公の娘(母親に反論する)に同感である。
主人公のような考え方は、人間が人間であるゆえんを否定している。
 
 
「すげかえられた首」はインドの古伝説を基にしている。
すばらしい頭脳を持つ若者と、すばらしい肉体を持つ若者。
固い友情で結ばれた二人の前に、美しい娘が現れることで起こる悲劇・・・。
 
インドにある(あった?)と言われる、
女性蔑視極まりない風習は、言うまでもなく嫌悪である。
しかしまあ、とりあえずそこを脇に置いて読むと、
大変面白く読める話でした。
主人公の一人、美しい娘シーターが、
その役回りにも関わらず、快活で感じが良いからかね。
聖堂が出てくるあたりの描写はぐいぐい引きこまれる。
人間の頭と体の関係についても考えさせられます。
哲学的すぎてちょっと難しくもある。
 
 
 
 
↓↓広島ブログ、参加してます。一日一クリックお願いしま~す(^^)/
http://www.hiroshima-blog.com/wj.php?cd=01ix