その日暮らし

精神的その日暮らし

山霧 毛利元就の妻

山霧―毛利元就の妻 (上) (文春文庫)

山霧―毛利元就の妻 (上) (文春文庫)

先日読んだ『北条政子』と同じ作者の本ということで、薦められました。
大河『毛利元就』の原作なんだね!(この作品と、オリジナル脚本によって構成)
主人公は、元就の妻。
冒頭に添えられた一文にもあるように、乱世の中をのしあがった一人の武将の話ではなく、
山深い土地に生きた男女の話と言った方が正しい。
石橋を叩いても叩いてもまだ渡らない性格の元就。
孤独な少年時代ゆえか、人の裏の裏を読んでしまう元就。
そんな性格で、しかも大内と尼子の間で翻弄され、しょっちゅう鬱陶しく愚痴る夫に対し、
そそっかしけれども肝の据わった妻は、明るく励まします。
このやり取りが妙に笑いを誘ったり。
戦国時代の政略結婚についての考察が面白かったな。
娘はただの人形ではなく、実家の外交大使のようなものなんだそうです。
「ときに実家のために婚家の協力を要請し、婚家のために実家の援助を引き出す」(本文より)
ときに婚家において、スパイのようなことまでも・・・。
だから唯々諾々とまわりに従うような女性では、政略結婚の駒にはふさわしくなかったのだとか。
へえええっ。そうなんだ・・・。イメージ変わるなあ。




当たり前だけど、よく知ってる地名がバンバン出てくるので、面白いったらなかったです。
広島県の地図を引っ張り出し、一文一文照合してました。




しばしば現れる夫婦のかけあいは、笑いを誘うように書いてあります。
また、元就の手紙を、
「読む相手がうんざりすることまちがいなしというくどさ」(本文より)
と評してみたり、この作者、時々口元に笑いを含んで書いてるなっ、と感じてたのですが、
それを確信したのが以下の箇所。
とある武将(元就ではない)の手紙について、評した言葉。
「次はいよいよ傑作なので原文を載せておく」(本文より)
・・・これが本当に傑作で(笑)。
大の男が、それも武士が、何書いてんの!みたいな。
でもだからって、昔の武将の手紙を「傑作」扱いはないだろーみたいな(笑)
詳しくは書けませんが、笑いました。




郡山城跡、また行ってみたいな。大河の時に行ったきり。
あそこ普通に山だから、ちょっと面倒かな・・・。






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