- 作者: 司馬遼太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/01/16
- メディア: 文庫
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来年の大河の予習にと、読んでみました。
小説にしては(司馬さんらしく)歴史解説の部分がかなりあり、
どっぷり感情移入して読むという感じではありませんでした。
よく考えると、官兵衛は主人公であるはずなのに、そこまで描きこまれてない気がします。
内面が丁寧に描いてあるのは、荒木に(史実らしいがネタバレ規制)時くらいか。
まあ歴史解説はそれはそれで面白かったんだけど、
個人的には、妻とのやりとりとか、人間模様も読みたかったかなあ。
そういえば、女性がほとんど出てこなかった。
大抵の歴史モノって、女性を時々登場させて色気を出して読者の興味を惹こうとしてると思うんだけど、
そういうのがほんと無かった。
後半、官兵衛が秀吉と共に毛利攻めをするくだりを読みながら、
自分が自然に毛利の肩を持ち、時に「官兵衛、失敗しろ!」と主人公を敵にまわしていることに驚きました。
ローカル歴史教育が、自分の中にどんだけ根を張っているのかと。
司馬さんが毛利をかなり良く描いているせいもあったと思いますが、
高松城攻めなど、歯をギリギリしながら読みました。
司馬さんの他の短編作品と、場面がかぶっているところがあったのも面白かったです。
三木城の話、短編で、籠城側の視点で描いてあるものがあり、
囲まれている側の状況を思いだしながら、囲んでいる側の話を読みました。
籠城戦って、恐ろしいな・・・。