盆栽・木々の私生活

盆栽/木々の私生活 (EXLIBRIS)

日本人作家でこのタイトルだったら、気にも留めないだろうけど、
チリの作家がこのタイトルて。それは思わず手に取ります。
チリでは人気上昇中の作家らしい。
「盆栽」「木々の私生活」の２作収録。
どちらも、過去・現在・未来がばらばらと配置された時間の中に、
ヒトとヒトの、どこか渇いた関係を、
哀しみと心の痛みが、空気のように当たり前にそこにある日々を描いてます。
私はこういう寂しげな話を読むと気分が落ちるので、あまり楽しく読めなかったけど、
うまくまとめられた話ではあるし、
この雰囲気にハマる人は、きっとたくさんいるでしょう。
あと、日本文学がとても好きなんだなあってことは、よく伝わりました。
訳者あとがきには、作者（1975年生）が育った時代のチリの政治状況について書いてあり、
それを知るとまた別の読み方もできそうです。






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