その日暮らし

精神的その日暮らし

永遠のソボ

先日の、父方の祖母のお葬式では、実家の祖母(母方)と接する時間が長かった。
お通夜の後の食事と、お葬式の後の焼き場へ行くのを、
祖母は疲れるだろうとの理由で、参加させないことにしたんだけど、
母はどちらにも参加するので、祖母の面倒を見ることができない。
なので私が、祖母を連れて帰って食事もさせるという役目を仰せつかったのです。
扱いには慣れてるけど、やっぱり疲れた。




お葬式の際、お坊さんがお経を読み始めて、みんな神妙に頭を垂れて聞いているところで、
祖母、大きな声で、
「まあ、何を言ってるのか分からないわねえ」
本人は、声が大きいつもりはないのです。
でも大きかった。そして、シーンとした空間には、よく響いた。
恥ずかしいったらない。母が慌ててたしなめていた。




お葬式の最後に、棺にふたをし、布をかぶせたりなどする時。
親族は立って周囲を取り囲み、最後のお別れを胸にしつつ作業を見つめるのですが、
祖母はひとつひとつの作業にうなずきながら、
「はあ・・・」「ああいうふうにするのね・・・」
とかぶつぶつ言っている。
どうやら、自分がいずれああいうふうにされるのだなと、確認しているらしい・・・。
そりゃまあ、当人は見ることができない作業だけれども・・・。
この悲しい雰囲気の中で、ばあちゃんよ、その好奇心満々の目はなかろうよ。




こう書くと、祖母はずいぶんボケてるようですが、意外と客観的な目もちゃんと残っている。
お葬式の帰りに、祖母に食事をさせながら、
「疲れたねえ」と私が言ったら、
「あら、おばあちゃんは疲れてないわよ」
私「そうなんだ。私は、たくさん人がいたから、気を遣って疲れたよ」と答えました。
すると、祖母、
「そうねえ、気を遣うと疲れるわよねえ。おばあちゃんは年寄りだから、年寄りはボーッと座ってても、ああ年寄りだからボーッとしてるんだなってみんなが納得してくれるから、気を遣わなくてすんだわよ。ほほほ・・・」
すげえな、ばあちゃん。
普段どこにしまってるの、その冷静な視点。
この話を相方にすると、
「やっぱりおばあちゃん、本当はボケてないのに、都合の良い時だけボケたふりしてるんだ・・・




そうか、そうなのか。ばあちゃんは、実はボケてないのか。
しかしお葬式の夜、祖母が今日の出来事を書きとめたものを読むと、
「今日は娘婿(私の父)の兄弟の皆様と食事会をして、楽しくお話をさせて頂きました」
違ーう!ばあちゃん違ーう!
確かに娘婿の兄弟の皆様には会ってるけど、重要なところが間違ってるぅ!






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