村上海賊の娘

村上海賊の娘 上巻

村上海賊の娘 下巻

誰もが恐れる村上海賊三家の中でも、特に恐れられる能島村上家。
そこの当主の娘、景（きょう）は、悍婦（かんぷ）にして醜女。
嫁の貰い手がないまま、海賊働きで暴れまわっていた。
そこへ毛利家が村上海賊に助力を求めてくる。
信長に包囲されて干上がりつつある大坂本願寺に、海路で兵糧を運んでほしいと。
時代の波に翻弄されつつ、女と男たちはまっすぐに生き抜こうとする・・・・




面白かったです。
とにかく景がカッコイイ。
他の登場人物も、良い味出してます。
ただ、時々マンガ的な描写があり（特にキャラ設定やキャラ描写）、
会話も現代風でノリが良くぽんぽん進むので、
私はそういうのも好きなのでニヤニヤ笑いつつ読んだけど、
そういうのが苦手な人は、ついていかれないかもしれない。中高年男性とか。
（だから、貸してくれた義父が楽しんで読めるか、密かに案じております）
とはいえ、骨格はきちんと歴史小説しているので、
ラノベかよってがっかりすることはないと思います。



展開が予想できなくて、気になって仕方なく、どんどん読み進めちゃう本だったけど、
戦のシーンはちょっと冗長であった気もする。
しっかり描かないといけないのは分かるけども。



村上三家は、因島、能島、来島に分かれています。
このうち能島という地名のみ知らなかった。
しまなみ海道にあるようですが、橋から外れている上、すごく小さな島らしい。
すごい気になるわー。
今度しまなみ行くぞ！！
毛利家も出てくるし、広島人にはがっつり面白いと思います。
（大阪も舞台なので、大阪の地理に明るい人にも面白いでしょう）



きっと映画化するんだろうなと思ってますが、それなら誰が景を演じられるか。
まず、景が醜女であるという設定をどうするか。
この点は、顔に泥を塗るとかで、さらっとスルーできるかな。
そこを越えても、景を演じるのは技量がとっても必要と思う。
そしてその出来が、映画の出来も左右する。
無名の新人を大抜擢がいかにもありそうな線かなあ。
現在いる女優さんだったら誰が良いだろうと考えていたところ、
ふと月９「＠悪が＠ぼ」を見て、「ぴったりだ」と思いました。
というわけで私の中では、オノマチコさんが適役。
しかしこれ、映画化しても、私は見れるだろうか。
戦シーンでは、残酷なこと大好きな海賊たちが、容赦なく殺しまくるんですよ。
文章なら読めるけど、これ映像にされたらキツいかも・・・。
あと、この小説、主人公以外の女性がほとんど出てこないから・・・。
それって映画化には大きな問題だよね。
無理やり出そうにも、余地がない気がする。
・・・なんて、決まってもない映画化妄想に励むわたくしでした。




しまなみ行くぞおおお！！！

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