その日暮らし

精神的その日暮らし

祖母と曾祖母

妹とその子どもたちが実家に帰省していた間、
祖母は甥っ子(3歳)の顔を見るたび、
「名前は?」「いくつ?」
と尋ねていました。
一日に何度でも・・・何度でも・・・
同じことを何度も聞かれて、イライラしてきた3歳児、
「名前は?」と問う祖母に、
怒った声で(それでもちゃんと名前を)答えていたこともありました。



ある日には、妹の友人が子どもを連れて遊びに来ました。
4歳くらいの女の子を連れてきたらしい。
祖母はやっぱり、その子の顔を見るたび、
「名前は?」「いくつ?」
と尋ねていたようです。
最初はきちんと答えていたその子は、
だんだん面倒くさくなってきたようで・・・
何度目かに尋ねられた時、少し考えてから、
「ないしょ♪」
と答えたらしい。
女の子は早くから知恵がまわるようになるから、
「ないしょ」なんて切り返しもできるようになるんだなあと、
妹が感心しておりました。
祖母はさぞかし不満だったでしょうが・・・。



一度、祖母を起こす際に、
3歳児を祖母の部屋へ連れていったことがありました。
昼を過ぎたのに薄暗い部屋(電気をつけてないから)。
薄暗いベッドに横たわる祖母。
「あら・・・おはよう」
しわだらけの腕がふとんからゆっくりニューと出てきて、
まっすぐ、甥っ子の顔へ伸びてくる・・・。
甥っ子、障子を開けて一目散に逃げていってしまいました。
その後はどんなに促しても、
「こわい」
と言って祖母の部屋に行こうとしない。
確かに、子ども目線で見たら、
薄暗い部屋に白髪のおばあさんが横たわってて、
昼間にふとんをかぶっているから、まるで病人のように見えて、
メガネ取ってる上に寝起きだから、人相もいつもと違うし、
そこから自分の名前を呼びながらニューと腕が伸びてきたら、
怖いわな・・・。



なぜか明確に残っている記憶のワンシーン。
私は甥っ子と同じ場所に立って、ひいばあちゃんを見上げていた。
ひいばあちゃんは当時すでに寝たきりだったのだろうか、
今祖母が寝てるのと同じベッドに、上半身を起こして座っていた。
認知症ではなかったと思う。
小学生だった私はまだ背が低かったから、
ひいばあちゃんの顔がすごく高いところにあるように感じられた。
何が起こったわけでもないのに、このシーンを明確に覚えているということは、
私はひいばあちゃんの部屋に、めったに入らなかったのではなかろうか。
よそよそしい場所と思っていたのではなかろうか。
それからしばらくして、
ひいばあちゃんはそのベッドで、97歳にて大往生しました。






↓↓↓「広島ブログ」参加してます。一日一クリックお願いしま〜す(*´∀`)
広島ブログ