- 作者: 佐藤亜紀
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/06
- メディア: 単行本
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この作者にとっては、高校で習う程度の歴史は、持っていて当然の教養なんだと思う。
フランス革命っていつだっけ?それから何がどうなってナポレオンだっけ?
なんて口を滑らせようものなら、ものすごい軽蔑されそう。
あくまで個人的なイメージですが。
そんなわけで、この短編集に納められた話の数々には、時代背景の説明なんて一切ない。
だから高校で習った世界史がすっぽ抜けてると、多少混乱するけど、
大丈夫、それでも読めるし、楽しめます。
詳しくない人間にも面白く、詳しい人間にはより面白く。
一般的に知られる歴史を、少しずれた視点から描いた話は刺激的。
そして、人間の醜さ・虚しさ・絶望を描いているにも関わらず、奇妙な高潔さがある。
題材はフランス革命からナポレオンあたりの時代(多分)。
滅びゆく貴族たち、新大陸、男女の醜聞。
表題作「激しく、速やかな死」の意味するところを知った時は、ぎょっとした。
「金の象眼のある白檀の小箱」にはやられた。
読みながらマジか、と思い、巻末の作者による解題を読んで、再びマジか、と。
えっ私が無知なだけ?
ボードレール『悪の華』への言及があるらしいのだが、
これ、昔友人に薦められて読んだけど、どうにも受けつけませんでした。
理解できなくてすみません。と言いたい気持ち。
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