その日暮らし

精神的その日暮らし

箱男

箱男 (1973年)

箱男 (1973年)

安部公房は「砂の女」が怖かったので、以来読んでいませんでした。
しかし先日NHKのある番組を見ていた時のこと。
それは72時間同じところをカメラで定点観測するという番組なんですが、
その回はハロウィーンの六本木の街角が舞台でした。
よくある人気キャラやゾンビのコスプレに混ざって、
段ボール箱を逆さにして頭にかぶり、歩いている人たちが出てきました。
段ボールは肩くらいまで覆い、
目のあたりに小さい穴が開いているだけで、顔はまったく見えません。
安部公房の『箱男』を読んで、どんな気持ちなのか自分でやってみたかった」
と語るのは大学生の、声からするとなんと女子。
これは相当な変人だろうな。
感心しつつ、私はその日その足で図書館におもむき「箱男」を借りてきました。



前振りが長すぎました。
箱男とは、段ボール箱をかぶったまま暮らす浮浪者のこと。
でもただの浮浪者とも異なる。
最初の方は、箱の製法とか具体的で面白かったのだけど、
途中から展開が分からなくなってきて、
誰が誰で、誰が語っていて、何がどうなっているのか、
てんで分からなくなり、分からないまま終わってしまい・・・。
なんだかよく分からない話でした。
しかし箱男という存在が強烈なので、読む価値はありました。



六本木をさまよっていた大学生の女の子、
どんな気持ちなのか知りたいと、箱男を真似てみたらしいけど、
それってこの小説の流れで行けば、危険なことなのでは。
ある日ふっと、箱をかぶってそのまま失踪してしまいかねないのでは。






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