- 作者: 井上靖
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1964/03/20
- メディア: 文庫
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生命を賭して荒海を渡り、長い年月を唐という異国で暮らし、
やがて鑑真という高僧を伴って故国へ帰ってきた日本人僧。
彼や周囲の僧たちが学び過ごした日々、そこで得たものと得なかったもの、
広大な大陸と海、膨大な学問にもまれる小さな人間の、生きる意味とは・・・?
だいぶ古い小説ですね。
面白かったです。
主人公・普照もいいですが、
他の日本人僧たちの生き様に、それ以上に心揺さぶられます。
特に好きではないけど、強烈な印象を残したのが業行。
業行について詳しいことは書けない。書いたら即ネタバレになりそう。
読み終わった後、彼について最も深く考えさせられた。
遣唐使ってほぼギャンブルだよね・・・。
誰があんなの自ら志望するのか、無理やり行かされてたんじゃないの?と思うけど、
この小説に出てくる人たちは、ほとんど自ら行く気満々でした。
唐の国は日本から見たらものすごい先進国だったのだろうから、
ぜひ目にしたいという者もいただろう。
現代だって「こんなところに日本人」ていう番組もあるように、
信じられないような辺鄙なところに移住してる人もいるくらいだし、
少し前の時代にはバックパッカーなんてのも流行ったらしいし、
そういう冒険心に富んだ人は、当時はもっといたかもしれない。
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